2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591605
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森本 昌史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10285265)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 頭部MRI / 拡散強調画像 / 新生児 |
Research Abstract |
拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging; DTI)は比較的新しいMRIの技術で、通常のMRIでは検出できないような微細な脳障害、特に白質の障害を評価するのに有用な手法である。早産児に対してDTIを用い、脳の諸領域の拡散パラメーターを算出し、3歳時の発達を評価し、更に各パラメーターと発達指数との相関関係を検討することで発達予後の評価に応用することを目的に、京都府立医科大学附属病院NICUに入院し、退院前(修正40週前後)のルーチンに施行されている頭部MRI検査に同意し、同意書に署名をしていただいた患者を対象として、得られたMRIの拡散強調画像のデータを解析した。 トラクトグラフィー法のための画像解析ソフトにはPRIDE(Philips社)を使用し、以下の報告の方法で、白質路を描した(Murakami et al. Pediatrics 2008, Stieltjes et al. Neuroimage 2001, Huang et al. Neuroimage 2005)。運動路、感覚路については、関心領域を大脳皮質、内包、橋のそれぞれ解剖学的に運動路、知覚路が走行していると考えられる部位に一定の大きさで設定した。また、小脳脚については、上小脳脚は上小脳脚交叉と歯状核に、中小脳脚は中小脳脚と小脳半球に関心領域を設置して白質路を描出し、脳梁線維については、脳梁線維が通過する部位によって4つに分けて評価を行った。膝部は両側前頭葉の前頭前野に、体部は両側前頭葉の運動関連野に、狭部は両側頭頂葉腹側に、膨大部は両側後頭葉と頭頂葉背側に各々関心領域を置き、脳梁の各部位を走行する白質を描出し、描出された各白質路における拡散パラメーター (FA, ADC)を算出した。今年度は、これまでに蓄積されたDTIのデータの解析と該当症例の3歳時の発達検査のデータを収集した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都府立医科大学附属病院新生児集中治療室(NICU)に入院し、修正37-41 週(正期産相当)に頭部MRI が撮影された在胎37 週未満の早産児を対象に約40症例のDTI のデータからトラクトグラフィー法を用いて運動路、感覚路、脳梁線維(膝部、体部、峡部、膨大部)、小脳脚(上、中小脳脚)を描出し、各白質路の拡散パラメーター (FA、ADC) を算出した。予想される症例数よりやや少なめであったが、概ね予想の8割程度のデータが解析できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き早産児を対象とした修正37-41週時のMRIのデータ収集と解析を行い、先に拡散パラメーターの解析を行った対象児の修正2歳時の神経学的診察所見から脳性麻痺などの神経学的後遺症の有無を確認と、修正3歳時に新版K式発達検査を実施し、姿勢運動、認知適応、社会言語の発達指数を算出し、データを蓄積していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|