2014 Fiscal Year Annual Research Report
17型コラーゲンが制御する表皮基底細胞遊走メカニズムの解明
Project/Area Number |
24591619
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 圭 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20421977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新熊 悟 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00613788) [Withdrawn]
西江 渉 北海道大学, 大学病院, 講師 (20443955)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 皮膚生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
17型コラーゲンはヘミデスモゾーム構成分子の一つであり、表皮真皮間接合に重要な生理機能を有する。一方、創傷部位で表皮基底細胞が遊走する際、17型コラーゲンと細胞外マトリクス間の接合は解除される必要があるが、その詳細は未だ解明されていない。本研究の目的は、表皮基底細胞が遊走する際の17型コラーゲンの動態と生理機能を解明することである。 最終年度である平成26年度は、主に表皮基底細胞の遊走に強く影響を及ぼす主要な細胞外マトリクスタンパクであるラミニン332に着目し、17型コラーゲンとの相互作用について検討した。ラミニン332は表皮基底細胞の遊走や増殖に不可欠な分子であるが、17型コラーゲンにR1303Q変異を有する表皮基底細胞を用い細胞外マトリクス上へ過剰量のラミニン332の沈着を誘導させた場合、表皮細胞の遊走はむしろ低下した。遊走能が低下した一因として、17型コラーゲンはカルボキシル末端を介し細胞外マトリクス上のラミニン332と結合することで、細胞外マトリクスとの接合の解除が阻害される可能性を考えた。この結果は、平成25年度に報告した、創傷治癒部皮膚の基底細胞では17型コラーゲンの発現が低下ないし消失する現象とも矛盾せず、正常な遊走には表皮基底細胞と細胞外マトリクス間の接合が適切に調整される必要性を示唆していると考えた。 以上より、表皮基底細胞が遊走する際、17型コラーゲンの発現を巧みに制御し細胞外マトリクスとの接合を巧みに調整する機構が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)