2013 Fiscal Year Research-status Report
皮膚悪性腫瘍におけるセンチネルリンパ節検索パターンの解析
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24591625
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤原 雅雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40456554)
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Keywords | センチネルリンパ節 / リンパシンチグラフィー / 皮膚悪性腫瘍 / 画像診断 / 転移 / time activity curve / ガンマプローブ / interval lymph node |
Research Abstract |
悪性黒色腫をはじめとして、転移性皮膚悪性腫瘍である、有棘細胞癌、エクリン汗孔癌、アポクリン腺癌、メルケル細胞癌、パジェット病に対して、センチネルリンパ節検索を行った。 術前評価として、全例に、(造影)CT検査、FDG-PET、フチン酸テクネシウムを用いたリンパシンチグラフィーを施行した。症例によっては、(造影)MRI検査および超音波検査を追加した。手術中は、ガンマプローブおよびインドシアニングリーン蛍光色素法によるセンチネルリンパ節同定を行った。術前の画像評価と術中所見を比較して、術前の画像評価法によるセンチネルリンパ節の同定率の差についても検討している。 術後、リンパ節の病理組織学的所見が明らかになった時点で、腫瘍(原発巣)の組織学的所見(腫瘍の厚さ・分化度・細胞分裂の頻度・脈管浸潤の有無)と、センチネルリンパ節への転移の有無や術前の組織学的所見との関係について検討している。センチネルリンパ節に転移を認めた場合、センチネルリンパ節内での腫瘍細胞の局在が後継リンパ節への転移を推測する重要な資料となることがわかってきた。 加えて、皮膚悪性腫瘍が転移するリンパ節として知られていなかった骨盤部の新たなリンパ節の知見が得られ、論文として発表した(後述)。今後とも、症例が増えるにつれて、このような新たなリンパ節に関する知見が得られることが予想される。腫瘍(原発巣)からセンチネルリンパ節への到達に要する時間とその距離からリンパ流速度を測定する新たな方法を論文として発表した(J Dermatol.in press)。今後、その速度がもつ臨床的意義を見出せる可能性が出てきた。症例の多い悪性黒色腫の治療法(再建法)に関しても論文発表した(後述)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍(原発巣)の状態、すなわち、腫瘍の組織学的所見(腫瘍の厚さ・分化度・細胞分裂の頻度・脈管浸潤の有無)と、センチネルリンパ節への転移の有無に密接な関係がみられている。 センチネルリンパ節に転移を認めた場合、センチネルリンパ節内での腫瘍細胞の局在が後継リンパ節への転移を推測する重要な資料となることがわかってきた。 また、現在まで、皮膚悪性腫瘍が転移することが報告されていなかった新たなリンパ節の所在を明らかにでき、論文発表を行った。 加えて、腫瘍(原発巣)からセンチネルリンパ節へ到達するリンパ流に着目して、新たなリンパ流速度の測定法を考案して、論文発表した(J Dermatol. in press)。今後、リンパ流速度がもつ臨床的意義を見出せる可能性が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
症例を蓄積する。その中で、腫瘍の状態(腫瘍の組織型・腫瘍の厚さ・分化度・細胞分裂の頻度・脈管浸潤の有無)別にデータを分類してまとめていく。 各検査(CT検査、FDG-PET、リンパシンチグラフィー、MRI検査、超音波検査)によるセンチネルリンパ節検出率を解析する。 センチネルリンパ節内での腫瘍細胞の局在が後継リンパ節への転移の関係についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究課題に関して英文論文投稿中であり、英文校正費用および論文掲載費用のために残していた。昨年から投稿を行っていたが、時間がかかり、2014年3月にacceptされたため、今から請求がきて支払う予定である。 英文論文の掲載費用等に使用する。
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