2012 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫による抗腫瘍メカニズムの解析:紫外線誘導性皮膚癌モデルマウスを用いた研究
Project/Area Number |
24591629
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
横川 真紀 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (40346721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 樹朗 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (10303223)
高田 智也 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (10403891)
志賀 建夫 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (70444768)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80273621)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自然免疫 / 腫瘍免疫 / 紫外線発癌 / モデルマウス / トール様受容体 / イミキモド |
Research Abstract |
紫外線誘導性皮膚癌モデルマウスを用いて、最近注目されているトール様受容体(TLR)を介した自然免疫賦活化による抗腫瘍メカニズムの解析を行った。 (1)トール様受容体アゴニストの抗腫瘍作用メカニズム解析 表皮角化細胞においてsignal transducer and activator of transcription3(Stat3)が恒常的に活性化されている遺伝子改変マウス(K5.Stat3Cマウス)耳介に紫外線(UVB)を2kJ/m^2 週3回13週間反復照射して表皮内癌を誘導し、右耳介にTLRアゴニストであるイミキモド(IMQ)を6週間外用した。無処置の対照左耳介では表皮内癌は有棘細胞癌に進展したが、IMQ外用側では表皮細胞の腫瘍性増殖は抑制され、経時的に真皮の炎症細胞浸潤は高度となった。CD3陽性T細胞、pDCの真皮内浸潤が有意差を持って多く認められ、これら細胞を介した抗腫瘍作用が示唆された。また、IMQ外用側では有意差を持って表皮角化細胞のTUNEL陽性細胞数は増加、Ki-67陽性細胞数は減少しており、腫瘍細胞に対する直接的なアポトーシス誘導もIMQの抗腫瘍作用のひとつと思われる。同様にUVBを16週間反復照射して有棘細胞癌を誘導した後、右耳介にIMQを4週間外用した。無処置の対照左耳介では肉眼的に腫瘍は増大したが、IMQ外用側では増大は著明に抑制され、Tumor thicknessに有意差が得られ、真皮内にT細胞やpDCを中心とする強い細胞浸潤がみられた。RT-PCR法にて、IFNγ、IL-17A、IL-12/23p35のmRNAレベルでの遺伝子発現が増加していた。 (2)トール様受容体アゴニストの治療および予防効果解析 MQの治療効果は、(1)より明らかである。 K5.Stat3CマウスにUVB反復照射とIMQ外用を14週間平行して行ったが、IMQの予防効果は示せなかった。 本研究の報告はMolecular Carcinogenesisに投稿し受理されている。
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Research Products
(1 results)