2013 Fiscal Year Research-status Report
イメージングマススペクトロメトリーを用いた皮膚内代謝物可視化法の確立
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24591632
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 菜穂子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (00509515)
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Keywords | イメージング / セラミド / 皮膚 / 脂質 |
Research Abstract |
本研究の目的は皮膚組織における脂質代謝物の空間的な分布を明らかにする事である。表皮特異的な脂質であるセラミドは、皮膚のバリア機能や免疫に関与していると考えられている。セラミドには複数の分子種が存在しているが、それらを個々に局在可視化する手法はこれまで存在せず、分子種ごとの性質・機能などの詳細な解析が困難であった。本研究では脂質の局在可視化法として注目されているイメージングマススペクトロメトリーの手法を用いて、皮膚組織内代謝物、特にセラミドの局在可視化法の確立を試みることを目的とする。 二年目である本年は、初年度に確立したマウス表皮角層の測定手法を用いて、さまざまなモデルマウスへの応用を検討した。その結果、ある種の遺伝子改変マウスの表皮において、セラミドが減少しているという表現型を得ることができた。この解析結果については論文として報告した。 さらなる高解像度イメージングを試みるために、レーザー系を10ミクロンから5ミクロンに収束させた系での解析も行ったところ、感度がやや劣るものの、詳細な角層の構造を可視化することができた。 この確立した手法を広く皮膚科学の分野に広めるために、学会・セミナー等での発表を積極的に行い、現時点で共同研究として発展したものもいくつかある。これらについては、最終年度にその結果を報告できるよう、解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に動物実験まで着手することに成功していたため、今年度はゆとりをもって実験を進めることができ、達成したいと思っていた高解像度イメージングの応用も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は今年度に確立した技術の応用範囲を広げて、問題点などを挙げられるよう手法のブラッシュアップを行う。また、共同研究等で頂いた実際の試料の測定を進め、成果として報告していくことを目標とする。 尚、10月末から産休を取得し、一時研究を中断することとしたため、研究費の繰り越しを行った。現時点では来年度の予定であるヒト試料への応用まで研究が順調に進んでいることから、特に研究機関を延長することなく、来年度までの予定とし、残りの研究課題については育児休業から復帰後に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
10月末から産休を取得するため、一時研究を中断することとしたため。 来年度には復帰を予定しており、一年以上の中断は予定していない。 復帰後にこれまでの研究内容を精査し論文としてまとめる予定としており、最終確認のための実験に必要な消耗品などをまとめて使用する予定にしている。 また、論文作成における英文校正や学会発表参加費などに使用する予定としている。
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[Journal Article] Barrier abnormality due to ceramide deficiency leads to psoriasiform inflammation in a mouse model.2013
Author(s)
Nakajima K, Terao M, Takaishi M, Kataoka S, Goto-Inoue N, Setou M, Horie K, Sakamoto F, Ito M, Azukizawa H, Kitaba S, Murota H, Itami S, Katayama I, Takeda J, Sano S.
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Journal Title
J Invest Dermatol.
Volume: 133
Pages: 2555-2565
DOI
Peer Reviewed
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