2013 Fiscal Year Research-status Report
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24591641
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川口 雅一 山形大学, 医学部, 講師 (10302291)
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Keywords | メラニン / メラノソーム / DGK / ADAM / メラノサイト / pmel17 |
Research Abstract |
メラニン合成に関与する分子をスクリーニングする過程で、ADAM (a disintegrin and metalloprotease) 阻害剤がメラニン量を抑制することを見出した。ADAMは細胞膜上の増殖因子、受容体、接着分子のシェディングやインテグリンなどへの結合により、細胞の接着、運動、増殖に関与する多機能分子である。この阻害剤はヒトメラノサイトやメラノーマ細胞株において、細胞増殖は抑制せずにメラニン量を抑制した。阻害剤はMITFやチロシナーゼなどのメラニン合成関連蛋白の発現にはほとんど影響を与えなかったが、メラノソーム構成タンパクであるpmel17のプロセッシングに関与することがわかった。Pmel17のプロセッシングに関与する他の分子であるγ-セクレターゼやBACE2によるプロセッシングパターンと比較したところ、阻害剤によるパターンとは明らかに異なっていた。このADAMプロテアーゼにはいくつかのファミリーがあるため、siRNAによりどの分子がメラニン合成に関与するか検討中である。 紫外線UVBによりメラノサイトで発現が亢進するDGKを同定し機能解析を行った。 RNA干渉を用いて発現量を調節し、DNA damage、アポトーシス、細胞周期への影響などを検討したが、現在までの検討ではこの分子の関与は見つけられていない。しかしメラニン合成関連タンパクの発現に影響が見られたため詳細に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ADAM阻害剤がpmel17のプロセッシングを介してメラニン量を抑制することを明らかにした。ADAM17のノックアウトマウスでは毛の色素異常を呈し、またADAM17は東アジア人の皮膚の色調を決定する遺伝子の一つである可能性が報告されている。 ADAM10は最近、網状肢端色素沈着症の原因遺伝子であると報告された。ADAMファミリーは様々な疾患領域で注目されている分子であり、その機能解析を行うことは臨床でも重要な意義があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Pmel17のプロセッシングに関与する分子を明らかにするとともに、紫外線UVBにより発現が亢進するDGKの機能解析を行う。さらに、DGKノックアウトマウスを用いて、UVB照射に対する影響 (色素産生、DNA damage、アポトーシス、サイトカインやケモカインの発現、細胞周期への影響)をreal-time PCRやWestern blot、あるいは免疫組織学的に検討する。
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Research Products
(3 results)