2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス応答因子Nrf2が光老化および表皮角化に果たす役割の解明
Project/Area Number |
24591642
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川内 康弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (00272196)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光老化 / 紫外線 / Nrf2 / 皮膚 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレス応答系Nrf2-Keap1は、細胞が酸化ストレスに暴露されると活性化し、抗酸化・生体防御蛋白であるグルクロン酸転移酵素やグルタチオンS転移酵素遺伝子等の発現を活性化する主要な経路として同定された。Nrf2は、酸化ストレス応答遺伝子の転写調節領域(抗酸化ストレス応答配列:ARE)に結合する転写因子であり、細胞がストレスにさらされていない平時には細胞質内で抑制蛋白であるKeap1と結合して分解・不活性化されているが、異物、毒物や酸化ストレスに暴露されるとKeap1との結合が解除されて活性化し、細胞質から核内移行し、上記の酸化ストレス応答遺伝子の転写を活性化させて酸化ストレスから細胞を防御する。本研究では、Nrf2ノックアウトマウスにおけるUVBの長期反復照射よる深シワ形成および光老化の他指標を野生型マウスと比較検討することにより、Nrf2-Keap1系が、皮膚のUVBに対する慢性反応である深シワ形成および光老化の生化学的指標においてどのような役割を果たしているかをin vivoで検討した。その結果、Nrf2ノックアウトマウスでは、深いシワの形成、過酸化脂質の蓄積、抗酸化物質である還元型グルタチオンの減少、皮膚弾力性低下などの皮膚光老化の指標が野生型に比べて有意に増強し、UVBによる光老化が促進していた。すなわち、Nrf2-Keap1系は、光老化に対して生体に保護的に作用していることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Peroxiredoxin I plays a protective role against UVA irradiation through reduction of oxidative stress.2014
Author(s)
Ito T, Kimura S, Seto K, Warabi E, Kawachi Y, Shoda J, Tabuchi K, Yamagata K, Hasegawa S, Bukawa H, Ishii T, Yanagawa T.
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Journal Title
J Dermatol Sci.
Volume: 74
Pages: 9-17
DOI
Peer Reviewed