2014 Fiscal Year Annual Research Report
アクアポリン9が炎症性皮膚炎発症に果たすKey Role
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24591648
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹馬 真理子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40531736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 良樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30127146)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクアポリン / 接触皮膚炎 / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクアポリン9(AQP9)は、種々の免疫細胞での発現が報告されていたが、機能は不明であった。我々は、AQP9を高発現する好中球に着目し、免疫異常を伴う炎症性皮膚疾患発症への関与を検証した。AQP9-/-マウスを用い、接触皮膚炎(CHS)モデルにおける野生型(WT)マウスとの表現型を比較することで、AQP9の機能解明を試みた。 AQP9-/-マウス皮膚では、ハプテン(DNFB)誘発によるCHS反応が、WTマウスと比較して顕著に抑制された。CHSは、DNFB塗布後5日間の感作相と、DNFB再塗布により誘発される惹起相から成る。AQP9-/-マウスでは、CHS感作が成立していなかった。感作過程において、AQP9-/-マウスにWT由来の好中球を移入したところ、CHS感作が回復し、好中球がAQP9-/-マウスにおけるCHS不成立の原因であることが示された。 CHS感作過程での好中球の動態を検討したところ、DNFB塗布数時間後から、リンパ節(LN)での好中球数の顕著な増加が確認された。これらの増加は、AQP9-/-マウスでは抑制されていた。また好中球の移入実験は、DNFB塗布後に起こる好中球のLNへの浸潤が、AQP9-/-マウスで低下していることを示した。また、in vitroでのCCR7誘発性のケモタクシスも、AQP9-/-好中球で有意に低下した。 さらにAQP9-/-マウスおよび好中球欠損マウスでは、LN細胞でのIL-17産生が低下しており、これがCHS不成立の要因と考えられた。以上の結果から、AQP9-/-マウスでは、CHS感作過程での好中球のLNへの浸潤が低下することでCHS感作が成立せず、その結果として耳介浮腫を指標とするCHS反応が抑制したと考えられた。
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Research Products
(1 results)