2014 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングを用いたアトピー性皮膚炎病態解析と新規病態制御因子の同定
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24591650
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 哲也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40452338)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 皮膚樹状細胞 / 脂質メディエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアトピー性皮膚炎マウスモデルをもちいて生体イメージングにてTh2細胞、樹状細胞の動態解析を行い、その病態の新規制御因子を同定することを目的として開始した。平成24年度はTh2細胞の生体イメージング解析法を確立することを目指した。その結果、in vitroで分化したTh2細胞の生体イメージングに成功したが、安定した解析条件を設定することが困難であったため、以後は樹状細胞イメージングを主に行った。アトピー性皮膚炎マウスモデルはハプテンを繰り返し塗布することで誘導される。よって、ハプテン塗布後の皮膚樹状細胞動態解析を行った。その結果、ハプテン塗布後の樹状細胞の動態は、定常状態にくらべ活発になることが確認された。すなわち、その動態制御が皮膚炎制御につながる可能性が示唆された。樹状細胞動態制御因子のうち、皮質メディエーターの一種であるレゾルビンE1(RvE1)に着目し、その皮膚炎抑制効果、樹状細胞動態制御効果を検討したところ、RvE1は強力に皮膚炎と樹状細胞動態を制御することが確認された。そのメカニズムとして、RvE1はロイコトリエン受容体を阻害し、樹状細胞でのアクチン形成を阻害することが確認された。さらにその阻害効果は、Cdc42, Rac1というアクチン形成制御因子の活性阻害であることが確認された。以上より、アトピー性皮膚炎の制御因子としてRvE1が新規に同定され、樹状細胞動態制御がその作用メカニズムであることが示唆された。現在その成果をまとめ論文投稿中である。
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Research Products
(1 results)