2013 Fiscal Year Research-status Report
GVHDモデルマウスにおける細胞障害性T細胞を制御する転写因子の同定
Project/Area Number |
24591662
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
宮川 史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00346024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 秀夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60252681)
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Keywords | 国際情報交換 / アメリカ合衆国 / CD8 T 細胞 / エフェクター機能 |
Research Abstract |
我々は、皮膚GVHDモデルマウス(K14-mOVATgマウス)を用いて、interferon regulatory factor 8 (IRF8) がCD8 T細胞のエフェクター機能に関与していることを報告した(Miyagawa et al., PNAS 2012)。K14-mOVATgマウスに、OVA抗原を認識するCD8+OT-I細胞を移入すると、GVHDに類似した皮膚炎を誘発することができる(Shibaki et al., J Invest Dermatol 2004, Miyagawa et al., J Immunol 2008)が、IRF8を欠損したOT-I細胞(OT-I/IRF8KO細胞)を移入した場合、GVHD反応および移入した細胞のエフェクター機能は減弱した(Miyagawa et al., PNAS 2012)。しかしこれらは完全に消失するわけではないことより他の転写因子の関与も考えられた。IRF8は、他のIRF family転写因子とダイマーをつくりその機能を発揮することが分かっている。今年度の研究では、皮膚GVHDモデルマウスにおいて、IRF8とともにあるいは独立してCD8 T細胞のエフェクター機能に関与しているIRF転写因子があるかどうかをしらべることにした。免疫細胞に発現の見られるIRF転写因子は、IRF1、2、4、5、7、8であるので、まずin vitroの実験系を用いて、CD8 T細胞の活性化に伴いこれらのIRF転写因子の発現がどう動くかを検討した。OT-I細胞あるいはpolyclonal CD8 T細胞を抗CD3抗体+抗CD28抗体で刺激し、6時間後と24時間後に細胞を回収し、RNAを抽出後、real-time PCRを行った。これらのIRF転写因子のうちIRF4のみがIRF8と同様にCD8 T細胞の活性化とともにその発現が見られ、6時間後に上昇し、24時間後にはその発現は低下した。IRF4はIRF8とともにCD8 T細胞のエフェクター機能に関与している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
米国からのマウスの搬入手続きが遅れていたため進行はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究は(1)IRF8のCD8 T細胞のエフェクター機能における役割を、他のIRF family転写因子、特にIRF4との相互作用の観点から明らかにすること、(2)CD8 T細胞により引き起こされる自己免疫疾患において、IRF8あるいは他のIRF family転写因子が病勢、治療効果、予後のマーカーとなりうるかを明らかにすることが目的である。(1)についてはIRF4KOとIRF8KOマウスおよびIRF4IRF8 double KOマウスを用いてin vivoの系を用いて研究を進めていく予定である。(2)についてはIRF family 転写因子の一つであるIRF7が、全身性エリテマトーデス (SLE) においてどういった役割を果たしているかを、プリスタン誘導SLEモデルマウスを用いて明らかにしていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Identification of thymus and activation-regulated chemokine (TARC/CCL17) as a potential marker for early indication of disease and prediction of disease activity in drug-induced hypersensitivity syndrome (DIHS)/drug rash with eosinophilia and systemic symptoms (DRESS).2013
Author(s)
Ogawa K, Morito H, Hasegawa A, Daikoku N, Miyagawa F, Okazaki A, Fukumoto T, Kobayashi N, Kasai T, Watanabe H, Sueki H, Iijima M, Tohyama M, Hashimoto K, Asada H
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Journal Title
J Dermatol Sci
Volume: 69
Pages: 38-43
DOI
Peer Reviewed
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