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2012 Fiscal Year Research-status Report

アトピー性皮膚炎患者は、なぜヘルペスウィルスに感染しやすいのか?

Research Project

Project/Area Number 24591664
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

高橋 良  杏林大学, 医学部, 助教 (00317091)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsアトピー性皮膚炎 / ヘルペスウィルス / カポジ水痘様発疹症 / 単球 / PILRα / 制御性T細胞 / CD16+単球
Research Abstract

本年度は、EHを合併したAD患者の急性期・回復期、および比較対象としてEHを発症していない血清HSV IgG陽性のAD患者、そして健常人におけるTreg細胞の末梢血中における割合の計測、皮膚ホーミングレセプタやケモカインレセプタ発現の頻度、及びTreg細胞の細胞増殖抑制機能の解析を行った。ADEH急性期の末梢血液中には、CD4+CD25++Foxp3+の制御性T細胞が著明に増加している事を明らかにした。Tregの表面マーカーを調べると皮膚指向性のCutaneous Lymphocyte-associated antigen (CLA)やケモカインレセプタのCCR4を発現しており、極めて皮膚へホーミングしやすいTregが増加していることがわかった。一方、ADEH回復期になると増加していたTregが健常人レベルまでに戻った。なお、EHを発症していないAD患者ではTregの増加は認められなかった。TregのエフェクターT細胞の増殖抑制機能を調べたところ、ADEH急性期・回復期、そしてEHを発症していないAD患者と健常人との比較では優位な差は見られなかった。これは、「正常」な抑制機能を保有した皮膚指向性のTregがADEH急性期の末梢血中で増加していることになり、免疫抑制状態になっていることが示唆され、故にヘルペスウィルスが再活性化しやすい状態である事がわかった。また、平成25年度移行に行う予定の単球の機能についても調査を開始した。ADEH急性期ではHVEM、PILRαの発現がCD14dimCD16+単球で増加していることを新たに見出した。また、これらの単球からのTLR-2刺激によるIL-1β及びTNFα産生が減少している事がわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の到達目標であった制御性T細胞の解析が順調に進行し、機能評価も行えた。これはすでに我々が確立しているアッセイ系を用いて検体を測定したためであり、今後も検体数を増やして評価を行なって行きたい。また、平成25年度に解析予定だった単球系の解析も開始している。

Strategy for Future Research Activity

本年度では、単球を中心に解析をすすめる。単球の解析は、Treg細胞の解析と同様に主にFCMを使用して解析を行う。対象患者のPBMCをanti-CD14、CD16等の抗体で染色し、CD14dim分画の割合を測定する。 さらにCD14dim分画は、CD16の発現によって2つに分画に分けることが可能である。さらに、TLR2(HSV-1を認識)リガンド等で刺激し、それぞれの分画からサイトカイン産生をFCMで解析する。単球からのサイトカイン産生に際して、各TLRの発現が変化している可能性がある。 そこで、各TLRに対する抗体で染色し、FCMにて発現を調べる。
単球上のHSV-1感染レセプタの解析:対象患者のPBMCをanti-CD14、CD16、IgEレセプタのFcεRI、HVEM、PILRαモノクローナル抗体で染色し、HVEM、PILRα発現が単球でどのように発現しているのかを調査する。
実際にHSV-1が単球に感染しているのか?:実際に単球にHSV-1が感染しているのかを確認するために、HSV-1が感染している可能性が高いポピュレーションをセルソーターで分離後、PCR法にてウィルスDNAを検出する。
HSV-1に感染した単球がTreg細胞を増殖させる?:近年の研究結果にIL-10を産生する単球が、ナイーブCD4+ T細胞をTreg細胞へ分化誘導させる報告がある。本研究でTreg細胞がなぜ増加しているのかは、いまだ不明な点であるが、HSV-1感染をした単球がTreg細胞を増殖させている可能性が考えられる。 特にPILRαは「抑制化レセプタ」であるが、未だその抑制化作用機序はよく判っていない。 そこでHSV-1が感染している可能性が高い細胞をセルソーターで分離後、ナイーブCD4+ T細胞と約2週間程度共培養し、FCMにてFoxp3等のTreg細胞の解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

抗体等の高額な薬品及び培養器具の購入費用として使用予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Suppressive CD14dimCD16+ monocytes contribute defective anti-viral immune responses in eczema herpeticum.2013

    • Author(s)
      Takahashi R and Shiohara T
    • Organizer
      International Investigative Dermatology 2013 meeting
    • Place of Presentation
      Edinburgh, Scotland
    • Year and Date
      20130508-20130511
  • [Presentation] Increased expression of PILRα on patrolling monocytes sensing HSV is the mechanism by which HSV evades immune attack2012

    • Author(s)
      Takahashi R and Shiohara T
    • Organizer
      The International Investigative Dermatology 2012
    • Place of Presentation
      OKINAWA
    • Year and Date
      20121207-20121208

URL: 

Published: 2014-07-24  

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