2014 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎患者は、なぜヘルペスウィルスに感染しやすいのか?
Project/Area Number |
24591664
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
高橋 良 杏林大学, 医学部, 助教 (00317091)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / ヘルペスウィルス / カポジ水痘様発疹症 / 単球 / PILRα / 制御性T細胞 / Treg / proinflammatory monocyte |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で、カポジ水痘様発疹症(ADEH)の急性期では、proinflammatory monocyte (pMO)が異常なサイトカイン産生を示し、それによってpMOは抑制機能を持った制御性T細胞(Treg)を増殖させ、その結果、抗ウイルス作用を示すHSV特異的CD8+T細胞のIFN-γ産生を抑制し、HSVの再活性化を来すことが判った。
ところで、pMOにはHSV-1が感染するためのレセプター(paired immunoglobulin-like type 2 receptor: PILRα)が高率で発現しているため、HSV-1がpMOに感染している可能性が考えられた。実際、皮膚組織の免疫組織化学染色から病変部のpMOにHSV抗原が検出され、HSV+ pMOはCD8+T細胞や多数のTregに隣接するように分布していた。
そこで、HSV-1が循環血液中のpMOに感染しているのかを確認するために、急性期ADEH患者の血液からセルソーターを用いて各種白血球分画を分取しDNAを分離後、栄研化学株式会社のLoopamp単純ヘルペスウィルス(HSV-1/2)検出試薬キット及びリアルタイムPCR法にてHSV-1またはHSV-2 DNAの検出を試みた。しかしながら、今回得られた約30検体からはHSV DNAを検出することができなかった。これは、検体採取をするタイミングが適切ではなかった事が考えられた。すなわち、急性期といえども患者がすでにアシクロビル等の抗ウイルス剤を投与していた場合や、病院に来院し採血するタイミングが遅れた場合等はHSV DNAを血液中から検出する事が難しい事が考えられた。今後は、より適切な時期に採血を行い、サンプルの解析を進めたい。
|
Research Products
(4 results)