2013 Fiscal Year Research-status Report
気分障害の脳情報伝達不均衡仮説に基づく内在性神経幹細胞活性療法の可能性
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24591683
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小澤 寛樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50260766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 裕久 長崎大学, 大学病院, 講師 (10380883)
黒滝 直弘 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20423634)
今村 明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40325642)
巽 理恵 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40584727)
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Keywords | 気分障害 / EPA / DHA / オメガ3脂肪酸 / ADHD / 難治化 |
Research Abstract |
本研究の目的である脳情報伝達系不均衡是正に基づく気分障害の原因と治療法の解明のために以下の研究を行った。 近年発達障害の概念の流布により、これまで過小診断をされていた発達障害が急増し、子供においてのみではなく、大人においても認められており、薬物・精神療法の対象になっている。これらの発達障害において注意欠如多動性障害(ADHD)はもっとも頻度が高く、また2次障害として気分障害が並存することが知られている。とくに治療抵抗性のうつ病や双極性障害の背景要因として重要視されてきている。そこで、気分障害の脳情報伝達に関連している代表的なオメガ3脂肪酸であるDHA、EPAの血中レベルをADHDにおいて測定し、脳情報不均衡との関連性を検討した。 長崎大学病院精神科神経科においてADHD診断を受けた小児患者20名を対象とした。 なお、個人情報の取り扱いに関しては慎重に取り扱い、患者個人が特定できないよう十分な倫理的配慮を行った。 EPA、DHA、EPA/AA比の測定値より、血中脂肪酸濃度とADHDの関連性に関して検討を行った。結果として、EPAおよびEPA/AA比においては、基準値の下限周辺に位置する患者が多く見られた。DHAについては、血中濃度値が基準値平均より低い患者が多く見られた。これまでの報告からADHDにおいてオメガ3脂肪酸が低下していることが、魚の消費が多い本邦においても証明された。オメガ3脂肪酸はこれまでの知見から脳内2次情報伝達系の干渉作用を有している可能性があり、脳情報伝達系の不均衡を是正することが考えられうる。このことはオメガ3脂肪酸が新たな気分障害の治療薬である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は培養細胞に基づく基礎研究、本年度は臨床研究を中心的に行いおおむねバランスよく順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は過去2年間の研究の総括として新規治療法としてのオメガ3脂肪酸及び抗うつ薬の急速増量法の可能性を検討中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度は過去2年間の研究の総括として新規治療法としてのオメガ3脂肪酸及び抗うつ薬の急速増量法の可能性の検討中であるため 最終年度は過去2年間の研究の総括として新規治療法としてのオメガ3脂肪酸及び抗うつ薬の急速増量法の可能性探るため研究膂力者等の人件費および旅費での使用。
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Research Products
(4 results)