2014 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症における補体制御因子機能とシナプスプルーニング機構解析
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24591687
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 昭夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20163868)
深見 伸一 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90424150)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 補体 / シナプス / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症における補体関連因子の関与を研究するべく、統合失調症患者140名、健常者208名のDNAサンプルにおいて、補体関連因子CUB and Sushi multiple domains(CSMD)1の遺伝子多型(rs10503253, rs2554585, rs2740931)及びCSMD2の遺伝子多型(rs911213)を解析したが、群間の比較では有意な差は認められなかった。 マウス脳における補体制御因子の発現パターンを抗C1q抗体および抗Csmd1抗体を用いた免疫組織学法により調べたところ、補体C1qと補体制御因子Csmd1とはマウス神経細胞上で排他的に発現していることがわかった。 次に、ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた培養系で、統合失調症患者1名およびその非発症双生児同胞1名と健常者1名の計3名のサンプルを用いて解析した。qRT-PCR法による解析では、興味深いことに、CSMD1の発現量が統合失調症患者および非発症双生児同胞由来神経細胞で低下している傾向にあることがわかった。また、健常者由来神経細胞では、qRT-PCR法で継時的にシナプス前蛋白質であるSynapsin1の発現量増加が認められたが、統合失調症患者由来神経細胞ではこの増加が低い傾向にあった。 Csmd2ノックアウトマウスにおいて、オープンフィールドテスト、尾懸垂テストを行った。オープンフィールドテストでは、コントロールマウスに比べてCsmd2ノックアウトマウスで中央に侵入する割合が増加していた。全体の移動量には差がなかった。また、尾懸垂テストでは、コントロールマウスに比べてCsmd2ノックアウトマウスでは無動時間が減少しており、より意欲的である様子がうかがえた。 以上の結果から、補体制御因子であるCSMD1の発現と、シナプス形成には何らかの相関がある可能性が示唆された。
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