2013 Fiscal Year Research-status Report
Efhc1コンディショナルノックアウトマウスを用いたてんかん発症機序の解明
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24591689
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (20373318)
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Keywords | てんかん / EFHC1 / コンディショナルノックアウトマウス |
Research Abstract |
若年性ミオクロニーてんかん(JME)は、思春期(8~20歳)に発症し、ミオクロニー発作、強直間代発作などを特徴とする最も頻度の高い特発性てんかんの一つである。申請者らは、原因遺伝子の一つとして新規の遺伝子EFHC1の同定に成功した (Suzuki et al. Nature Genetics, 2004)。さらに、申請者を含む研究チームは、新たな4種類の疾患変異を発見し報告した。また、EFHC1の疾患変異は、JMEのみならず、若年性欠神てんかん、潜因性の側頭葉てんかん、さらに非分類型の特発性全般てんかんからも見つかっている。このことより、EFHC1はJME発症に関与しているだけでなく、特発性全般てんかんの痙攣誘発に広く関与している可能性もでてきている。有効な治療法の開発のためには、疾患成立機序を解明することが必要であることから、本研究では、Efhc1コンディショナルノックアウトマウスと目的の細胞種でCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウスを用いることで、EFHC1遺伝子変異によるてんかん発症メカニズムの解明につなげる知見を得ることを目的としている。本年度は、ヘテロ接合体 (ヘテロ) のflox:Cre (+)マウスを得て、さらにヘテロのfloxマウスと交配し、ホモ接合体 (ホモ) のfloxマウス:Cre (+)と野生型マウスを得た。得られたマウスの組織を用い、myoclonin1の発現をウエスタンブロット解析および免疫組織染色法により検討し、ホモCre (+)マウスでmyoclonin1の発現が細胞特異的に減少していることを観察し、導入しているloxPサイトが目的通りに働いていること、また、Creリコンビナーゼが目的の細胞で発現していることを確認した。さらに、変異マウスにおける痙攣感受性を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンディショナルマウスと細胞種特異的にCreリコンビナーゼが発現するトランスジェニックマウスマウスとの交配で得られたマウスにおいてマウスゲノムに導入したloxPサイトが想定通り働き、myoclonin1の発現が低下していることが確認されたこと、また、変異マウスにおいて痙攣に対する感受性の評価もデータを解析中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおりEfhc1コンディショナルノックアウトマウスが使用できることが確認できたので、次年度以降は計画申請書で申請した研究内容に従い、ホモのflox/ Cre (+)マウスおよびヘテロのflox/ Cre (+)マウスの自然誘発性のけいれん発作の観察を行う。また、痙攣感受性関する検討で動物数の少ないところについて検討する。
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