2013 Fiscal Year Research-status Report
うつ病の脳内ノルエピネフリントランスポーターと認知機能、神経ネットワークとの関連
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24591691
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
高野 晴成 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 室長 (30348792)
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Keywords | PET / MRI / ノルエピネリントランスポーター / うつ病 |
Research Abstract |
健常被験者およびうつ病患者を対象に、脳内ノルエピネフリントランスポーター(NET)の神経伝達機能をみるために、[F-18]FMeNERD2をリガンドとするpositron emission tomography (PET)検査を施行し、脳内NETの結合能を測定した。形態および安静時の機能的MRIを施行し、神経ネットワークの機能的連結の度合いを測定した。さらに、うつ病に関する症状や注意機能等に関する認知機能検査を施行した。まず、20歳以上80歳未満の精神神経疾患の既往がなく、治療中の身体疾患を持たない健常志願者30名の検査を施行し、性差と加齢変化の影響などの基礎的検討を行った。その結果、30名の健常者(男性15名:平均年齢45.8歳, 標準偏差[SD]19.0歳、範囲21–76歳;女性15名:平均47.3[17.5]歳、範囲22-70歳)の視床および青斑核の結合能について、有意な性差は認められなかった(unpaired t-test, 視床:男性0.66[0.12],女性0.70[0.13], p = 0.50; 青斑核:男性0.44[0.21], 女性0.40[0.16], p = 0.52)一方で、視床と青斑核での結合能には有意な加齢変化を認めた(Pearson’s correlation, 視床:r = -0.649, p = 0.000; 青斑核 r = -0.534, p = 0.002)。平成25年度には未治療の20歳から60歳までのうつ病患者の募集も開始し、平成25年度末までに9名の未治療うつ病患者の検査を行った。健常者と同様に脳内のNETの結合能、認知心理機能、安静時の機能的MRIの測定等を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度になって、近隣の医療機関(特に精神科クリニック)との連携を強化し、患者のリクルートが増加している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は未治療のうつ病患者のリクルートを25名まで増やす予定である。また、当該未治療患者に対し、NETにも作用する抗うつ薬(duloxetine)の1-2ヶ月の治療後にも追跡検査を実施し、治療反応とNET占有率、安静時の機能的MRIおよび認知機能の変化も検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は患者リクルート体制の確立を優先し、データを取得することに主眼を置いた。そのため、国際学会での発表は延期した。また、画像解析ソフト、統計ソフト、その解析コンピューターをすべてのデータを最終的に解析するときに最新・最善のものとするため購入予定を後ろ倒しにした。 画像解析ソフト、統計ソフト、解析用コンピューターを最新版にする。最新の文献の購入、国際学会での発表、英文校正などにも使用していく。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Norepinephrine transporter occupancy by nortriptyline in patients with depression: a positron emission tomography study with (S,S)-[¹⁸F]FMeNER-D₂2014
Author(s)
Takano H, Arakawa R, Nogami T, Suzuki M, Nagashima T, Fujiwara H, Kimura Y, Kodaka F, Takahata K, Shimada H, Murakami Y, Tateno A, Yamada M, Ito H, Kawamura K, Zhang MR, Takahashi H, Kato M, Okubo Y, Suhara T
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Journal Title
Int J Neuropsychopharmacol
Volume: 17
Pages: 553-560
DOI
Peer Reviewed