2014 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症におけるデフォルトモードネットワークの破綻とその物質的背景
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24591701
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小俣 圭 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 特任助教 (20508783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 雄二郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00529464) [Withdrawn]
松本 かおり 金沢工業大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20447808)
尾内 康臣 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (40436978)
中村 和彦 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80263911) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自閉症 / 脳構造 / MRS / 脳機能 / 顔認知 / 紡錘状回 / デフォルトモードネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は自閉症の病理メカニズムに関して機能的MRI(fMRI)や核磁気共鳴スペクトロスコピー法(MRS)を用いて脳機能・脳構造を検討するものである。自閉症とは社会的相互作用の障害、コミュニケーション障害、こだわり行動などによって、日常生活に支障をきたしている先天性の障害であり、その具体的な発症メカニズムは未解明である。近年は自閉症児の割合が増加傾向にあり、その病態解明は臨床的に重要な意義を持つ。自閉症の症状より脳における機能障害である可能性が高いことから、本研究では自閉症の病理要因として神経細胞の化学組成異常と脳機能の変異を仮説とし検討を行ってきた。
神経細胞における化学組成の異常があれば機能的側面にも影響が現れると考えられる。そこで安静時機能的MRIを用いてデフォルトモードネットワーク(DMN)という安静時の活動についての検討を行った。DMNとは、ヒト脳における基礎的な脳活動と考えられており、自閉症ではこの基礎的脳活動が化学組成の異常により影響を受けているという仮説を立てた。加えて顔認知における紡錘状回の活動についても検討を行った。自閉症では、顔から相手の心情を読み取る事が困難であることが知られており、この顔認知を担う場所における脳機能異常・脳構造変化が考えられる。これらに関しfMRIおよびMRSを組み合わせて検討する事により、自閉症の脳機能と脳内化学組成の両面からアプローチを行った。
検証の結果、自閉症者は顔認知においてエラーが高い傾向が見られた。また顔認知時の脳活動では紡錘状回の一部にて低い活動が見られたが、典型者との群間比較では統計的な有意差は見られなかった。一方、紡錘状回におけるMRS解析および安静時機能的MRIにおける機能的ネットワーク解析とMRS解析に関しては現在データ解析中であり、今後はこれら解析結果をまとめていく予定である。
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Research Products
(2 results)