2012 Fiscal Year Research-status Report
溜め込み障害と強迫性障害の臨床的および生物学的差異の検討
Project/Area Number |
24591719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 智博 九州大学, 大学病院, 講師 (50423554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
實松 寛晋 九州大学, 大学病院, 助教 (30588116)
吉浦 敬 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40322747)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | OCD / 溜め込み / HD / 画像解析 / 疫学調査 / VBM |
Research Abstract |
九州大学病院精神神経科内の行動療法専門外来にてfollow中のOCD(Obsessive-compulsive disorder)患者のうち溜め込み症状のある15名を対象とし、HRS-I (Hoarding Rating Scale-Interview)及びCIR (Clutter Imaging Rating)を用いて溜め込み症状の重症度評価を行った。また同対象者に対し放射線科協力の下で3テスラMRI撮影装置を用いてVBM(voxel-based morphometry)及びDTI(diffusion-tensor imaging, 拡散テンソル)の各条件下でのMRI撮像を行った。 患者群内においてSPM8(VBM解析)及びTBSS( tract-based spatial statistics)(DTI解析)を用いて前処理を行った画像データと、各臨床スコアとの比較解析を行った。 VBM解析においては、HRS-Iスコアと両側BA(Broadmann Area)47,25、CIRスコアと左島皮質に有意な負の相関が認められた。DTI解析においては、両者とも有意な結果は得られなかった。 また研究代表者が所属する行動療法研究室のHP上にHD(Hoarding Disorder)情報サイトを立ち上げ、更に各関連病院及び行政機関に広告を配布することで、HDの啓蒙を図ると同時に対象者を募集した。 溜め込み癖を有しHDの診断基準に合致する患者、最も関連性があり比較対象として欠かせないOCD患者、両併存患者、および健常対照者を、統計的処理を行うに十分な対象数集めて評価を行うことは、HDという疾患概念が臨床的にも生物学的にも独立した精神疾患であるというエビデンスを呈示するのに重要であると考えられる。今後はより対象者を増やし、特に併存疾患のないHD患者をリクルートし解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溜め込み癖のある患者のリクルートを開始している点、現時点で集積されたデータに関して画像解析をすすめている点について、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、行動療法専門外来およびウェブサイトを通じて患者を募集し、エントリー、診断、各種臨床評価を行う。臨床情報、画像情報のデータは集積後に統計学的に解析し、結果を学会などで報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
対象者への謝金、学会発表のための旅費、解析用PCソフトウェアなど。
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Research Products
(7 results)