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2013 Fiscal Year Research-status Report

溜め込み障害と強迫性障害の臨床的および生物学的差異の検討

Research Project

Project/Area Number 24591719
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

中尾 智博  九州大学, 大学病院, 講師 (50423554)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 實松 寛晋  九州大学, 大学病院, 助教 (30588116)
吉浦 敬  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40322747)
樋渡 昭雄  九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
KeywordsOCD / 溜め込み / HD / 画像解析 / VBM / 疫学調査
Research Abstract

研究実施担当者が研究協力施設に出向き、病歴聴取、診断面接、臨床評価を行った。溜め込み癖に該当した対象者には、臨床評価についての郵送調査をあわせて実施した。SCID(The Structured Clinical Interview for DSM-IV)簡易版、構造化面接溜め込み障害(HD)版を実施し、同疾患の該当の有無および他の精神疾患の有無を評価した後、HRS-I(Hoarding Rating Scale)とCIR(Clutter Image Rating Scale)により、溜め込み癖の重症度評価を実施した。さらに強迫症状、うつ症状、広汎性発達障害、ADHDの質問紙による評価、構造化面接を実施した。
2014年3月末日までの研究対象者は、男性4例・女性8例の合計12症例、平均年齢41.2歳(SD=12.7)であった。12例のうち、溜め込み障害の診断がついた者は6名であった。溜め込み障害の診断がついた者( 6名)ではつかなかった者( 6名)と比較して、t検定にて、 CIRS寝室スコア(p<.025 )・CIRS平均スコア( p<.021)・ADHDの評価スケールにおける不注意及び記憶の問題( p<.033)の三項目で有意に高いスコアを認めた。またフィッシャーの直接確率検定にて、小児期ADHD 診断がついた者が多い傾向がみられた( p<.061)。
また我々は、前年度強迫性障害の患者のうち溜め込み症状のある15名を対象とし、HRS-I及びCIRを用いて溜め込み症状の重症度評価を行ったが、今回はDY-BOCSで溜め込みスコアのついた強迫性障害の患者10名について、溜め込み症状の重症度と灰白質体積についてVBMによる相関解析を実施した。その結果統計的有意差は得られなかった。これはため込みを主症状とする患者が含まれていなかったことも影響しているかもしれない。
我々はすでに比較対象として強迫性障害患者60名以上、健常者41名のMRI撮像を終了しており、最終年度にはこれまで得られた溜め込み障害患者の臨床データと脳画像とを統合して解析を行い、その結果を学会などで報告する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ため込み患者のリクルートは、大学病院での調査の他に、近隣のクリニックや病院の協力を得て、研究実施担当者が研究協力施設に出向き、調査を行っており、順調に進んでいる。一方、健常者と強迫性障害患者のMRI撮像は順調であるが、溜め込み障害患者のMRI撮像にはやや遅れが生じている。その理由としては、溜め込み障害という疾患がまだ十分には認知されておらず、治療動機が高まりにくいため精神科未受診の患者のリクルートが困難であること、およびMRI撮像に関わる被験者の大学病院受診や費用の負担が発生することが考えられる。今後これらの点をクリアしながら研究を進めていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

被験者の負担軽減のために研究協力の謝礼を増やし、すでに大学病院に受診している患者への働きかけを増やすことや行政機関に協力を求めるなど被験者確保のためのリクルート対策を検討中である。
臨床情報、画像情報のデータは集積後に統計学的に解析し、結果を学会などで報告する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究が途中段階であり、研究実施のための謝礼、交通費など未使用の状態である。
研究結果が揃っていないことから、本研究で得られた知見をもとにした学会発表なども未だ行っていない。
研究実施のための謝礼・交通費や、研究結果の学会等での発表のため使用する予定である。

Research Products

(3 results)

All 2013

All Journal Article Presentation

  • [Journal Article] 脳画像研究からみた強迫性障害のサブタイプ2013

    • Author(s)
      中尾智博
    • Journal Title

      精神科

      Volume: 23 Pages: :201-206

  • [Journal Article] OCD の生物学的病態からみた難治性2013

    • Author(s)
      中尾智博
    • Journal Title

      精神神経誌

      Volume: 115 Pages: 981-989

  • [Presentation] OCDの生物学的病態からみた難治性.2013

    • Author(s)
      中尾智博:
    • Organizer
      第109回日本精神神経学会総会シンポジウム「強迫性障害の難治性―その病態や基準、対応を考える」
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      20130523-20130525

URL: 

Published: 2015-05-28  

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