2013 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢住民におけるうつ病の実態とその危険因子の解明に関する横断・縦断研究
Project/Area Number |
24591720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小原 知之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20623630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 大悟 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10596828)
二宮 利治 九州大学, 大学病院, 助教 (30571765)
神庭 重信 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50195187)
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Keywords | うつ病 / 地域一般高齢者 / 認知症 / 時代的変化 / 危険因子 / ADL障害 |
Research Abstract |
平成24年に福岡県久山町の65歳以上の高齢住民を対象として行われたうつ病と認知症の有病率調査の未受診者に対する追加調査を行った.対象者は529名で,そのうち383名(受診率74.4%)が調査を受診した.うつ病と認知症の調査では、2段階方式の調査法を用いた。追加調査者は初調査者と比べて有意に高齢で,認知症の粗有病率および介護保険認定率も有意に高く(すべてP<0.01),認知症やADL障害が重症例ほど調査を受けないことが明らかとなった. 前年度の調査成績と合わせた最終的な受診率は93.5%だった.うつ状態の粗有病率は17.4%であり、大うつ病性障害の粗有病率は3.5%だった。一方、全認知症の粗有病率は17.9%であり,MCI10.0%を含めると27.9%の高齢者が何らかの認知機能障害を有していた.認知症の病型別粗有病率をみるとアルツハイマー病は12.3%,血管性認知症は3.0%,その他の認知症は2.6%だった.本調査における介護保険の認定率は12.8%(243名)であり,介護認定を受けた認知症者の90.6%(163名)が認知症高齢者の日常生活自立度I度以上と診断されていた. さらに、平成17年に65歳以上の久山町高齢住民を対象に行ったうつ病、認知症、ADL障害の有病率調査の成績を用いて、うつ状態と認知症およびADL障害との関係を検討した。その結果、うつ状態を有する群はうつ状態を有さない群と比べると、有意に高齢で、認知症者、ADL障害者、無職、配偶者他界(独身含む)、施設入所(病院入院含む)の頻度が有意に高かった。認知症を病型別に検討すると、特に血管性認知症がうつ状態と強く関連した。うつ状態のオッズ比はADL障害が重度になるほど有意に高くなり(傾向性p<0.01)、ADL障害に認知症を合併するとうつ状態のオッズ比は更に上昇した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画通り、65歳以上の久山町高齢住民を対象としたうつ病、認知症、およびADL障害に関する有病率調査の追加調査を行った。最終的な受診率は93.5%となり、目標であった受診率90%以上に達成できた。また、研究計画通り今回の有病率調査のデータ整備も完了した。さらに、平成17年に施行したうつ病、認知症、およびADL障害の有病率調査の成績から、認知症とADL障害を有する高齢者では、うつ状態のリスクが有意に高くなることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、平成17年と平成24年に行った横断調査の成績をもとに、老年期うつ状態および大うつ病性障害の時代的変化について検討する。また、久山町における断面調査および追跡調査の成績をもとに、老年期うつ病と認知症との関係について、両疾患の病態に影響を及ぼすとされる年齢、性別、社会状況(学歴、婚姻状況、雇用状況)、糖尿病などの危険因子を調整した解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
うつ病と認知症の追加調査が予定より長くかかったことが理由で、参加予定にしていた学会での発表をキャンセルした。学会発表に必要なデータ整備とその解析に伴う研究費、および学会参加のための旅費などを使用できなかったことが原因で次年度使用額が生じた。 研究実施に必要な人件費、必要物品費として研究費を使用するほか、得られたデータの統計解析に必要な備品類やその成果発表の広報費および旅費として使用する。
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Research Products
(7 results)