2013 Fiscal Year Research-status Report
気分障害患者における認知機能障害の生物学的基盤に関する研究
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24591722
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 智史 九州大学, 大学病院, 助教 (90404053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 啓介 九州大学, 大学病院, 助教 (60432944)
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Keywords | 双極性障害 / 気分障害 / 認知機能障害 / MCCB / DNAメチレーション |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、症例のリクルートを行い症例数を増やしている。本年度に新たにリクルートした症例は、双極性障害10例、大うつ病性障害7例、健康成人10症例であり、研究全体を通して組み込まれた症例数は、双極性障害14例、大うつ病性障害7例、健康成人42例となった。また、MCCBの下位検査項目に関する予備的な解析の結果、健康成人と比較して双極性障害患者において、TMT, BACS, MSCEIT, CPT-IPにおいてz-scoreで-1以上の低下を認めていた。認知ドメイン別に集計を行ったところ、processing speedおよびattention vigilanceで明らかな低下を認めていた。これらの結果は、すでに外国で報告されているMCCBを用いた双極性障害患者の認知機能障害の特徴とよく合致するものであった。本年度はこれらの結果をまとめ、第16回国際双極性障害学会総会にて発表を行った。 また、来年度予定しているDNAメチレーション解析に向けて、末梢血単核球のDNA抽出を行いサンプルを蓄積している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組み込み症例数が目標よりも少ないが、最終年度にむけて生物学的な解析を行うのに必要な症例数は満たしてきており、若干の遅れはあるものの、当初の予定通りに生物学的な解析に進むことができると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
目標症例数には到達していないが、すでに認知機能検査では2群間での差が認められている。今後はさらに症例数を増やし、解析の精度向上につとめる。また、すでに確立したプロトコルに従いDNAサンプルは順調に集まっている。ゲノムワイドDNAメチレーションマイクロアレイを行うには十分な症例数がそろっているので、解析を進めるとともに、認知機能障害との関連について検索を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
リクルート症例数が目標に達しなかったために、謝金およびDNA抽出にかかる費用が当初の見積もりよりも少なかった。 引き続き症例のリクルートを継続するとともに、最終的なDNAメチレーション解析を行う症例数を増やすことが可能であれば、研究の精度を上げることができると考えている。
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Research Products
(2 results)