2014 Fiscal Year Annual Research Report
何故うつ状態になると依存症になりやすいのか?その分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24591735
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大西 克典 久留米大学, 医学部, 助教 (10626865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 教授 (50228144)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | うつ病 / 転写因子 / 依存症 / コカイン / 行動実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
違法ドラッグ、たばこ、アルコール、セックス、パチンコなど依存症になるものの背景には、精神的なストレスがあることが多い。研究としては、依存症だけを対象としたり、ストレスによるうつ病だけを対象としたものが多く、ストレスによって、依存症になりやすい体質になっている状態の研究はあまりされていない。また、人の場合、うつ病と薬物依存症は互いに悪化させる関係にあり、うつ病による自殺、薬物の過剰摂取による死亡と負のスパイラルの問題がある。 片方だけしか研究の対象にならない理由としては、薬物開発において、出来るだけ短期間短時間省コストでスクリーニングする系が望ましいからであるが、抗うつ薬の効果が最低2週間は必要であることからも現実的には、病態の形成、およびその病態からの回復にはそれなりの日数がかかることが、経験的科学的にわかっている。 我々は、マウスを使った動物モデルを使い、長期間にわたるストレス状態の形成、その後の依存症の定量化モデルを作製し、さらにその分子メカニズム解明のために野生型のマウスにAAVを打ち込む系を確立して研究している(Nature Neuroscience 2010)。 本研究では側坐核における転写因子DFosBの発現に注目し、同じmRNAから発現するD2DFosBとの機能の違いを明らかにして、論文を発表した(Neuroscience 2015)。 研究の過程で複数の関連遺伝子を新たに発見したが、その機能を追っていくうちに予想外のデータが得られたため現在、そのデータ解析を行っている。 また、コカイン連続投与で行動力が増えていくsensitizationにおいて、コカイン連続投与で増加蓄積していくDFosBがSug1、Brg1、CBP/p300と複合体を形成して、ヒストンアセチル化を促進し、sensitizationを促進していることを明らかにし、論文を発表した(PloS One 2015)。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] PSMC5, a 19S Proteasomal ATPase, Regulates Cocaine Action in the Nucleus Accumbens.2015
Author(s)
Ohnishi YH, Ohnishi YN, Nakamura T, Ohno M, Kennedy PJ, Yasuyuki O, Nishi A, Neve R, Tsuzuki T, Nestler EJ.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10(5)
Pages: epub
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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