2012 Fiscal Year Research-status Report
DISC-Mが制御する遺伝子ネットワークの同定と精神疾患発症機序解明への応用
Project/Area Number |
24591737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大西 哲生 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (80373281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 武男 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, チームリーダー (30249958)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 統合失調症 |
Research Abstract |
DISC-M (Disrupted In Schizphrenia, Matsuzawa)つまり、LDB2遺伝子は家族歴の無い統合失調症患者に見いだされた染色体転座点付近に存在する、転写調節因子をコードすると考えられる遺伝子であるが、その(特に脳での)機能はほとんど明らかになっていない。Ldb2ノックアウトマウスには、過活動、NMDAブロッカー、ドーパミン作動薬に対する過感受性など統合失調症の陽性症状との関連を示唆する行動異常が現れることを見いだしていたが、さらに甘みを呈する物質に対する嗜好性が顕著に低下しており、これは陰性症状としてしばしば現れる無快楽症(anhedonia)に類するものと考えられた。さらに恐怖条件付け異常等、認知学習障害を伺わせる所見をも見いだしてきた。我々はその行動異常の発症メカニズムを生化学的、生理学的、分子生物学的に明らかにしようと試みているが、我々が新規に作製した特異抗体による分析により、少なくともGABAニューロンに選択ていに発現してる可能性を見いだした。統合失調症の病態メカニズムにGABA系が関与していることは、すでに多くの知見が集まっている。これらの結果をふまえ、より詳細で、具体的なメカニズム解析の為にLdb2抗体によるクロマチン免疫沈降のための予備的検討を終えた。Ldb2はamygdalaに発現していることからamygdalaの機能異常がLdb2ノックアウトマウスに生じていることを想定したが、形態的な特徴、条件付け後のc-fosの反応性といった指標では、明瞭な異常は見いだせなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的の達成度を「おおむね順調に進展している」と判断したのは、以下の理由による。 1) Ldb2ノックアウトマウスの行動が、統合失調症の陽性症状だけでなく、一部陰性症状や認知症状さえも模倣するかのような異常を示すことをあきらかにしたこと。 2)amygdalaには明瞭な異常がないと思われることを明らかにしたこと。 3)クロマチン免疫沈降-Seq解析においては、条件設定のみをほぼ終了させたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はamygdalaなどcortex以外の部位で、Ldb2が度の酔うような細胞群で発現しているのか、さらに詳細に解析する。恐怖条件付け課題においてどのような部位に、c-fosの発現異常が見られるか解析する。amygdalaに加えて大脳皮質(特にprefrontal cortex)に着目する。さらに、クロマチン免疫沈降ーSeq解析を行い、Ldb2が制御する遺伝子群を抽出することを目指す。さらに次世代シークエンサ解析により、患者の染色体DNAを直接全ゲノム解析することで切断点の決定をピンポイントで決定し、LDB2と人統合失調症との関連をより強固なものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し。
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