2013 Fiscal Year Research-status Report
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24591738
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
細川 雅人 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 主席研究員 (00435116)
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Keywords | TDP-43 / 前頭側頭葉変性症 / プログラニュリン / タウ / アルツハイマー病 / 認知症 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration: FTLD) の患者脳で観察される、タウ陰性ユビキチン陽性封入体の主要構成タンパクが、2006年、TAR DNA-binding protein of 43 kDa (TDP-43)であることが判明した。FTLDの発症メカニズムを明らかにしていくとともに、病態モデルマウスを用いた薬物のスクリーニングおよび薬物治療へつなげるために、TDP-43 proteinopathyモデルマウスの作製をおこなった。 1) ドキシサイクリン(Dox)-off系統TDP-43 トランスジェニック(Tg)マウス: TDP-43 Tgマウスの作製では、TDP-43のK263E変異1系統、ΔNLS変異4系統、Δ12変異1系統、GFP-Δ12変異2系統の作出に成功した。全系統をDox-off系のCamK2a-tTAと交配したダブルトランスジェニックマウスは、1-2ヶ月齢よりDox不含の餌を食べさせることによりTDP-43の発現を誘導した。それぞれのTDP-43の発現を免疫組織化学染色および生化学解析で確認した。 2) Dox-on系統TDP-43 Tg: 新たに作製したDox-on (CamK2a-rtTA)マウスは3系統得られたが、2系統からは遺伝子の入った子孫が得られなかった。残りの1系統は遺伝子の入った子孫が得られたので、TDP-43ΔNLS変異Tgと交配し、Doxによる発現誘導をおこなったが、TDP-43の発現は観察されなかった。現在該当遺伝子を受精卵に再インジェクションし、新たな個体を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Dox-on系統のCamK2a-rtTA Tgを作製し、ファウンダーマウスは3系統得られたが、2系統からは遺伝子の入った子孫が得られなかった。残りの1系統はDoxによるタンパク発現誘導が観察されなかったため、再作製をおこなっている。また、TDP-43とCamk2a-tTAの掛け合わせによるダブルトランスジェニックマウスの作製では、両方の遺伝子が入ったマウスが計画通りに産まれなかったため、解析がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作製・報告されたTDP-43トランスジェニックマウスでは、フェノタイプが出るものは誕生時から後肢の異常・けいれんなどが現れている。世界中で作られているTDP-43 Tgはいずれも同じような状況にある。このような出生時からのTDP-43の過剰発現による悪影響を除くため、Dox誘導型のTDP-43トランスジェニックマウスを作製し、後天的にTDP-43を過剰発現できることを確認した。まだ加齢が十分でないため、あるいは他の理由により、神経細胞内においてTDP-43の異常凝集体は観察されていない。TDP-43の異常凝集体が確認される個体が得られたのち、FTLDの発症メカニズムを明らかにするとともに、認知機能に関する行動解析実験、およびTDP-43の異常凝集を抑制する薬剤のスクリーニングをおこなう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の旅費が当初計画していた金額より少なかったため。 平成26年5月に開催される第61回日本実験動物学会での成果発表時に旅費として使用する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Tau accumulation in the nucleus accumbens in tangle-predominant dementia.2014
Author(s)
Kawakami I, Hasegawa M, Arai T, Ikeda K, Oshima K, Niizato K, Aoki N, Omi K, Higashi S, Hosokawa M, Hirayasu Y, Akiyama H
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Journal Title
Acta Neuropathologica Communication
Volume: 2
Pages: 40
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Pathological features of FTLD-FUS in a Japanese population: Analyses of nine cases2013
Author(s)
Kobayashi Z, Kawakami I, Arai T, Yokota O, Tsuchiya K, Kondo H, Shimomura Y, Haga C, Aoki N, Hasegawa M, Hosokawa M, Oshima K, Niizato K, Ishizu H, Terada S, Onaya M, Ikeda M, Oyanagi K, Nakano I, Murayama S, Akiyama H, Mizusawa H
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Journal Title
Journal of the Neurological Sciences
Volume: 335
Pages: 89-95
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] タウオパチー病理変化の基礎2013
Author(s)
新井哲明, 河上緒, 小林禅, 野中隆, 長谷川成人, 細川雅人, 秋山治彦, 池田研二, 朝田隆
Organizer
第32回 日本認知症学会
Place of Presentation
松本 キッセイ文化ホール
Year and Date
20131110-20131110
Invited
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