2013 Fiscal Year Research-status Report
圧縮センシングによるMR高速撮像:実用化のための問題点探索と施策開発
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24591747
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
町田 好男 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30507083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一生 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90375171)
田村 元 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (20333817)
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Keywords | MRI / 圧縮センシング / 高速撮像 / 画質評価 |
Research Abstract |
情報理論の基礎分野で著しい進歩のあった圧縮センシング法(Compressed Sensing、以下CSと略記)は、少ない計測数のデータから元データを復元する手法で、様々な領域で活用されている。本研究では、CSをMRIの画像生成に取り入れた高速撮像法(以下、CS-MRI)の実用化のために必要な、CS画質の評価について検討を進めている。昨年度までに、基本的な計算機実験環境の整備と初期的な画像生成実験を行ったが、さらに3次元化などの実験環境整備を進めながら、以下のようなテーマを設定して検討を行った。 (1) これまでの画質指標によるCS画像の評価結果の比較検討 (2) シミュレーションモデルによるアプリケーション固有の評価法の検討 を試みた。(1)では、 実用化の上で最も重要なルーチン画像(T1およびT2強調画像やMR angiography (MRA))を対象とした。これまで放射線技術分野や情報理論分野で提案されている複数の画質指標間でのCS画像評価結果の比較検討を行い、類似点・相違点・現状での限界の把握を行った。その結果のひとつとして、汎用の指標以外にも、アプリケーションに固有の評価法が必要であることが強く認識され、(2)の検討を行った。今回は3D-MRAについて、直接血管の描出能を数値評価するシミュレーション実験を試み、血流信号のCS再構成条件への依存性やノイズの影響についての知見を得ることができた。 これらの検討結果は随時学会で報告を行ってきた。関連分野の研究者とは情報交換を行いながら、検討すべき内容は必要に応じて修正もしながら進めている。検討結果の一部は、雑誌での解説記事として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要にも記したとおりに具体的テーマで結果を出している。昨年度までに整備した計算機実験環境を生かして、当初予定していた「指標の検討と改良モデルでの計算機実験」を進めることができた。設定テーマは当初の予定項目と若干の違いはあるが、初期検討を踏まえて再選定するとともに、検討方法の確立のために1つめのテーマを絞ったためである。全体としては、最終年度である来年度にまとめに向けて着実に推進しており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
アプリケーションに固有の評価法として計算機シミュレーションを用いた方法の考え方と実験方法の具体例(今回は3D-MRA対象)ができたため、これを複数のアプリケーションに適用し、知見を深めたいと考えている。また、これまでは再構成のみの計算機実験にとどまっていたが、生の収集データを利用する目途がたったため、収集再構成の両者にわたるシミュレーションも進める。こうした検討を通して、当初目標である、画質評価指標の提案に結び付ける予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度、主に研究室の大学院生と共同で進めていた計算機実験が軌道に乗ったため、研究室での実験に注力し、成果の論文化の準備を進めた。そのため、当該年度に予定していた海外出張旅費は、次年度の年度明けの国際学会参加にあてるのが望ましいと判断したのが、主な理由である。 上記のように5月に海外出張と、当初より予定していた12月の国際学会での発表も予定している。当該年度の成果を受け、計算機能力の補強も行う予定である。
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Research Products
(8 results)