2012 Fiscal Year Research-status Report
異時相画像データおよび非剛体変形統合法を用いた低線量冠動脈CTの開発
Project/Area Number |
24591765
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
立神 史稔 広島大学, 大学病院, 講師 (90411355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟井 和夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (30294573)
檜垣 徹 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 特任助教 (80611334)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 冠動脈CT |
Research Abstract |
今年度はソフトウェアの開発および適正化を目的とし、フヨー社の心臓動態ファントムを用いて基礎的検討を行った。CTスキャナはGE 社製の64 列MDCT を用い,心電図同期を利用したProspective ECG-triggering Scan によりファントムを撮影した. CTスキャナの管電圧は120kVpとし,管球電流は55‐300mAまで8 通りに変化させて撮影した.動態ファントムの心拍数は40, 50, 60, 70bpm とし、それぞれに対し撮影を行った.撮影は、拍動が最も緩慢になるタイミングを中心として、その前後で1 心拍の5%ずつの余剰時間データを収集した.収集したデータから1%ごとに計11 の3 次元画像を再構成し、それぞれにノイズ低減処理を行った。各時相の画像は異なる時間の画像であるため,画像間で非剛体位置あわせ処理を行い、周辺時相の画像を中心時相の画像に重ね合わせるよう変形させた。 結果は、①ノイズ低減処理に利用する時相数は3つ,すなわち中心時相に加え2つの周辺時相の画像を利用した場合が最も高いノイズ低減率を示した.②ノイズ低減処理に利用する画像の時相間距離は10%,すなわち中心時相に対して+5%, -5%の時相の画像を用いた場合が最も高いノイズ低減率を示した.③加重平均の割合は、中心時相の画像の比率が過半数となり,かつできるだけ高いノイズ低減率を示す3:4:3 が最適な比率であった.④ノイズ低減率は,撮影時の管電流に依存せずほぼ一定の率を示した。⑤心拍数が低いほど時相間の時間的距離が長くなるため,撮影時の心拍数が低いほどノイズ低減効果は高くなった。 以上を踏まえるとノイズ低減率は最大23%となり、本法を用いることで約38%の被ばく低減が可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノイズ低減処理に使用する画像の適切な時相の選択、加重平均の重み付け係数の適正化を行うことができ、ノイズ低減率と管電流および心拍数との関係について明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は、通常線量で撮影された臨床における冠動脈CT画像に対して本手法を適応し、実際の冠動脈CT検査でどの程度のノイズ低減および画質改善が図れるかを検討する。目標患者数は連続50人程度とする。画像ノイズの評価には上行大動脈のCT値の標準偏差を用い,コントラスト分解能には冠動脈のContrast to Noise Ratio (CNR)を計算することで定量評価を行う.またCT画像の画質を2名の放射線診断専門医により検討し、定性評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データを解析するためのPC1台およびデータ保存媒体。 国内旅費に関しては、2名の研究者が1年に2回、外国旅費に関しては2名の研究者が年に1回、または1名の研究者が年に2回、アメリカやヨーロッパでの学会に参加し、研究内容の発表や専門家と情報交換を行うための費用として計上する。 その他、論文やスライドの英文校正費。
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