2013 Fiscal Year Research-status Report
CTエンテロクリーシスを用いた小腸炎症疾患の新たな画像分類の構築
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24591767
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
清水 建策 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (80363109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 尚文 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40157334)
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Keywords | CT enteroclysis / CT enterography / 薬剤性小腸粘膜障害 |
Research Abstract |
前年度から引き続き、薬剤性小腸粘膜障害のCT分類を進めている。これまでの結果から薬剤性小腸粘膜障害のCT所見はType 1 (粘膜型;粘膜の変化が主体で、強い壁肥厚を伴わない)、Type 2 (壁均一造影型;腸管壁全体が強く濃染される。周囲の炎症波及や腸管壁の肥厚を伴う)、Type 3 (壁多層造影型;腸管壁は各層の造影効果の差により層構造を呈する。活動性炎症と浮腫を反映。)の3typeに分類された。Type1は薬剤短期服用例に多くみられ、多発する傾向にあった。内視鏡では比較的小さな潰瘍やびらんに対応していた。このtypeはCTでの所見が軽微で、病変も小さいため、見逃さないように注意が必要であった。Type2は薬剤長期服用例にみられ、比較的強い炎症変化が示唆された。近傍の脂肪織炎やリンパ節腫大など周囲への炎症波及を合併することも多かった。内視鏡では比較的大きな潰瘍や粘膜障害に対応していた。Type3は短期服用例と長期服用例の両者にみられた。このtypeは粘膜下に低吸収域を認めるのが特徴であるが、短期服用例では浮腫を、長期服用例では線維化を反映していると思われた。特に長期服用例では高度な内腔の狭窄を伴うことが多く、カプセル内視鏡の長期停滞を来たした症例もみられた。内視鏡では強い浮腫を伴う潰瘍や輪状の潰瘍瘢痕に対応していた。これらの研究成果は第72回医学放射線学会総会、第44回日本消化器がん検診学会中国四国地方会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の初期成果は第44回日本消化器がん検診学会中国四国地方会にて発表した。薬剤の服用期間によってCT所見が異なることに注目してCT分類が進んでおり、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤の服用期間によるCT所見の変化、臨床的な意義など解析を進め、論文を作成していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
画像整理が研究の主体となり、USB接続、外付けHDD2.0TB(9,975円)の購入のみにとどまりました。 平成25年度の未使用分(190,025円)は①学会出張に伴う旅費(第22回消化器関連学会機構・神戸、2014.10.23-26)、②パーソナルコンピュータ(NEC VALUESTAR N)、③メモリスティックDuoアダプタMSAC-M2、ソニー、に使用予定です。平成26年度の予算(200,000円)は①CDR TDKデータ用CD-R 700MB、②デジタルカメラ PowerShot G1X、③プリンタ Colorio IP-905Aおよび学会出張旅費(第50回日本医学放射線学会秋季臨床大会・神戸、2014・9・26-28)にて使用予定です。
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