2012 Fiscal Year Research-status Report
亜硝酸剤非使用・使用冠動脈CTAを用いた冠動脈攣縮評価
Project/Area Number |
24591768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡田 宗正 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70380003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 尚文 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40157334)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 冠動脈CT / 亜硝酸薬 / 血管拡張能 / 冠動脈内皮細胞障害 |
Research Abstract |
2013年現在まで、約70名弱に対して、亜硝酸薬を投与前後の冠動脈CTA検査を行い、各セグメント毎で冠動脈径を測定している。現時点では、baseline studyとして冠動脈径により硝酸薬による血管拡張能を評価している。すなわち、亜硝酸薬投与前(非投与)冠動脈CTAと亜硝酸薬投与後冠動脈CTAを撮影し、各冠動脈セグメントの冠動脈径を測定し、この冠動脈径から冠動脈の拡張度[(亜硝酸剤投与時の冠動脈径-非投与時の冠動脈径)/亜硝酸剤非投与時の冠動脈径]を計算し、冠動脈の拡張度が大きな症例と少ない症例で、症例の背景(性別、年齢、虚血性心疾患のイベント、合併症、心機能、血液生化学的パラメーター、使用薬剤など)に差があるか検討中である。 次に、冠動脈plaque性状により、冠動脈内皮細胞の拡張障害などが起こることから、冠動脈plaque性状に因る冠動脈拡張能の違いも検討している。石灰化及び非石灰化plaqueに分け、baselineの血管径のみではなく、plaque性状の違いによる血管内皮障害及びplaqueを伴ったbaselineの血管径との違いも評価できる。 本研究により、冠動脈CTを行う場合の亜硝酸薬使用による影響を正確に把握し、亜硝酸薬を使用して撮影された冠動脈CTと亜硝酸薬非使用で撮影された冠動脈CTによる冠動脈径の違いを理解するとともに、冠動脈plaqueによる冠動脈拡張の違いも理解できる。 また、本研究の対象となる、冠動脈攣縮が疑われる症例に、治療薬である亜硝酸薬の使用前・使用後の冠動脈CTを行うことで、過拡張になるかなども評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Baseline studyとして冠動脈径により硝酸薬による血管拡張能を評価し、2012年欧州心臓放射線研究会(ESCR)でこの成果を発表している。現在、英文にまとめ投稿している最中である。 次に、冠動脈plaque性状に着目し、plaqueのありなしでの冠動脈拡張の違いの評価や、石灰化plaqueと非石灰化plaqueとに分けてplaque性状に因る冠動脈内皮細胞障害の程度を評価している。この統計処理は、終了しabstructは英文化しており2013年度の心臓CTの国際学会(SCCT:モントリオール)に投稿し、受諾を得ている。心臓CTの専門家に、我々の行っている研究の意義を評価して頂き、今年度中には英文誌に投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
冠動脈plaque性状に着目し、plaqueの有無による冠動脈拡張の違いを評価する。 冠動脈plaqueを石灰化plaqueと非石灰化plaqueとに分けて、plaque性状に因る冠動脈内皮細胞障害の程度を評価する。この統計処理は、終了しabstructは英文化しており2013年度の心臓CTの国際学会(SCCT:モントリオール)に投稿し、受諾を得ている。更に、今年度中には英文誌に投稿予定である。 冠動脈攣縮が疑われた症例では、亜硝酸薬の使用の有無により、冠動脈が拡張になる可能性もあり、その拡張率から冠動脈攣縮の可能性が推測できるか検討予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今回未使用額が生じた理由としては、必要としたスペックのコンピュータなどの価格が比較的安価に購入できたためと円高のため海外への学会参加費が抑制できたためであり、この未使用額については平成25年度の研究費と併せて、消耗品費として冠動脈プラーク模擬モデルの購入に充てる予定である。
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