2012 Fiscal Year Research-status Report
3TーMRIを用いた乳腺拡散テンソル画像の乳がん診療への応用
Project/Area Number |
24591773
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藪内 英剛 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70380623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雅之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40240907)
熊澤 誠志 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363354)
平田 秀紀 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70173242)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度は、乳腺拡散テンソル画像から得られるADC(見かけの拡散係数)とFA(異方性を表す値)に対する脂肪の影響を解析した。ADC, FAを測定する際に設定する関心領域内に、腫瘍以外の背景乳腺が含まれる病態として、腫瘤非形成性病変が想定され、非浸潤性乳管癌31例を、マンモグラフィ上の乳房構成により、高濃度、非高濃度に2群に分類し、腫瘍部のADC, FAを2群間で比較した。その結果、腫瘍部のADCは高濃度群で高く、腫瘍部のFAは非高濃度群で高く、背景乳腺の脂肪の多寡により、ADC,FA値に影響を与えていることが判明した。従って、乳癌に対する術前化学療法の治療効果判定や、鑑別診断の際には脂肪の影響を加味した判断が必要となる。 また、正常部と腫瘍部の比較では、病変部のADCは2群とも正常部より低値であったのに対し、FAは2群とも正常部と病変部で有意差を認めなかった。このことから、腫瘍が乳管内にとどまる非浸潤性乳管癌では拡散異方性は保たれていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究の第一段階はほぼ解析および学会発表が終了し、論文化の途中である。 また、第二段階につながる有用な情報が得られた点からもほぼ順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
①乳房の異方性が保たれる疾患と破壊される疾患として、腫瘤非形成性病変のなかでも非浸潤性乳管癌と、乳管内成分の多い浸潤性乳管癌の2群でのFA値の比較 ②腫瘤非形成性の乳癌の、術前化学療法での早期治療効果判定でのADC,FAの有用性 以上2点について解析し、学会発表を行い予定である。 同時に、共同研究者と共に、乳腺拡散テンソル画像を解析するソフトの開発にも取り組む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外学会での発表を予定しており、旅費として100万円、PCや統計ソフトなどに50万円、その他10万円を予定している。
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Research Products
(1 results)