2014 Fiscal Year Research-status Report
MRIによる心筋遅延造影法を用いた心筋線維化定量化法の確立
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24591776
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
末吉 英純 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40380894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRI / 心筋 / 線維化 / 定量化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の目的であるMRIによる心筋遅延造影法を用いた心筋線維化定量化法の評価方法については、ほぼ終了し論文として書き上げ、すでに学術雑誌に掲載された。掲載された論文の要旨は以下である。 目的)心臓MRIを心筋のT1値を使用していくつかの定量法を比較し、拡張型心筋症患者のびまん性心筋線維化を推定する信頼性の高い方法を明らかにすることである。 方法と結果)TI scoutを用いて線維化を評価するためのMRI遅延造影撮像を拡張型心筋症の52患者および10名の正常対照被験者で実施した。造影後での左心室腔(L)と左心筋(M)T1値を測定した。次に造影前左心室腔T1値をpre LT1 value, 造影後左心室腔T1値をpost LT1 value, 造影前左心筋(M)T1値をpre M TI value, 造影後左心筋(M) T1値をpost M TI valueとし、いくつかの定量化式にて計算し、対象間および患者の左心室駆出率に最も相関する定量法の比較検討を行った。 定量法(pre M TI value-post M T1 value)/(pre L T1 value-post L T1 value)が、患者群と対照群の間に有意差が認められ、かつ有意に左心室駆出率に最も相関した( r=0.66、p<0.0001)。 結論)(pre M T1 value-post M T1 value)/ pre L T1 value-post L T1 value)が拡張型心筋症のびまん性心筋線維化を推定する最も信頼性の高い定量法だった。現在、次の目標である本心筋線維化定量法と他の撮影法(具体的には拡散強調画像)との対比について検討を行っている状況であり、今後、学会発表や論文発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定はMRIによる心筋遅延造影法を用いた心筋線維化定量化法の評価については既に論文とし報告した。今後さらに本研究を発展させるため、臨床症例の解析や拡散強調像との対比などについてさらに検討予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに本研究を発展させるため、臨床症例の解析、具体的には定量値と予後との関係拡散強調像との対比などについて検討予定である。今回得られた知見をもとに、さらなる臨床症例を蓄積し、臨床所見,心エコー、心臓核医学.心筋生検所見と対比させることにより,比較検討する。またそれに加え拡散強調像との対比も加えることにより、心筋線維化と拡散強調像との関係を検討する。
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Causes of Carryover |
当初、使用していたPC関連の追加購入が必要であった。消耗品の購入が必要であった。論文作成や投稿のための学会出張や論文の校正、文献などの費用を支払う必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究のさらなる発展のため、新たな機器購入や消耗品、論文作成や投稿のための学会出張や論文の校正や謝礼、文献などの費用を支払う予定である。
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Research Products
(2 results)