2012 Fiscal Year Research-status Report
心臓4次元CTを導入した心拍動下冠動脈バイパス術前ナビゲーション・システムの開発
Project/Area Number |
24591778
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇都宮 大輔 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 特任講師 (30571046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾田 済太郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 特任助教 (80571041)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マルチスライスCT / 4D-CT / 冠動脈バイパス術 |
Research Abstract |
心臓4次元(4D-)CTによる術前ナビゲーションシステムの開発を可能にするため、本年度はCTにおける放射線被ばくの低減に関する検討をおこなった。 1)心臓4D-CTにおける大きな問題点は全心電図時相にわたって連続的にX線照射を行うことによる放射線被ばく量の増加であり、これを低減することには臨床的に重要な意義がある。放射線被ばくを低減するにはX線管電圧を低下させる、もしくは管電流を低下させることが有効である。われわれは低管電圧撮影がCT血管撮影にもたらす影響について検証した。X線管電圧を120kVpから100kVpに低下させることで、心臓CTでは被ばく量を40-50%低減できることが分かった。その一方で、画質を左右する画像ノイズは通常適切とされる20-25HUに比べて約50HU と非常に高く、視覚評価に大きな障害となることが判明した。 2)現在のCT画像再構成はフィルタ付き逆投影法が一般に用いられている。われわれは、近年利用可能となった逐次近似画像再構成をCT画像再構成に応用し、低被ばく撮影によって増加した画像ノイズを低減できるかについて検証した。その結果では心臓CTの画像ノイズを20HUないしそれ以下に押さえて撮影できることを確認した。 低管電圧CTに逐次近似画像再構成法を応用することで、低被ばくで4D-CTを行える可能性が示された。今後はこの手法を実際の4D-CTに応用していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心臓の4D-CTを行うために必要な準備としては概ね順調に研究が進み、撮像プロトコールの作成が可能な状況に近づいている。
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Strategy for Future Research Activity |
冠動脈模擬ファントムおよび心臓動態ファントムを用いて、心拍動下の血管描出能の検証を行う。とくに冠動脈バイパス術を施行する患者には冠動脈ステントがすでに留置してある患者も多く、ステント・モデルも含めた検証を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
冠動脈ファントム実験 画像解析用処理システムおよびソフトウェア 放射線科の学会・研究会および循環器学会への参加による情報収集および成果発表 論文作成およびその英文校正
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