2014 Fiscal Year Research-status Report
心臓4次元CTを導入した心拍動下冠動脈バイパス術前ナビゲーション・システムの開発
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24591778
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇都宮 大輔 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (30571046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾田 済太郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (80571041)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マルチスライスCT / 4D-CT / 冠動脈バイパス手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓4次元CTによる術前ナビゲーションシステムの開発にむけて、本年度はナビゲーションの実際について広範囲検出器(面検出器)を持つCTを用いたプロトコールの最適化および評価を行った。心臓疾患術前の患者においては腎機能の低下を有する場合が多い。そのため造影剤の多量の使用は造影剤腎症を誘発する可能性があり、可能なかぎり低減が臨まれる。その一方で、術前のCTでは心臓だけでなく、大動脈~大腿動脈までの血管の情報も重要である(送血、脱血のシミュレーション)。面検出器CTでは検査の途中で、ヘリカル・ピッチを変更できるバリアブル・ピッチ機能が利用可能である。これを用いることで心臓のスキャンと大血管のスキャンを二回に分けて行う必要性がなくなる可能性があり、実際にこの手法を心臓手術術前CTに応用することで心臓と大血管の二つの構造を評価した。我々は胸部を低ピッチ/心電図同期スキャンを行い、腹部以下を高ピッチ撮影した。これにより1mL/kg程度の少ない造影剤量で術前シミュレーションに必要な情報(冠動脈、心臓の動態、大血管からアクセスルート)を撮影できることを明らかにした。平成25年度に低管電圧CTによるCTの低侵襲化を可能とし、平成26年度にはさらなる低侵襲化(造影剤低減、X線被ばく低減)が実現できた。これにより臨床的、倫理的に本来被ばくの多い4D-CTは臨床的に妥当な検査となった。H27年最終年度では心臓手術前CTの臨床をさらに推進すべく評価を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心臓4D-CTにおいてはプロトコールの適正化に工夫と時間が必要であり、予定していた3年間でその確立ができた。本研究はそれを踏まえて4年間で計画しており、最終年度に臨床的評価を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
心臓手術で問題となる冠動脈の動き、および心筋内走行の可視化を中心に4-D CTを心臓外科手術に応用していく。裸眼3Dモニターの有用性についても評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会出張、ミーティングの予定が当初の計画から時期がずれたことにより旅費等に予定額との差が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に行う予定であった研究計画ミーティングを平成27年度5月に行うこととし、その際の必要経費(物品、旅費)として使用する計画である。
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