2013 Fiscal Year Research-status Report
進行性核上性麻痺の淡蒼球病変:既病理確定例を含めた症例群によるMRI所見の検討
Project/Area Number |
24591785
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
櫻井 圭太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70453066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳丸 阿耶 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60507391)
小林 晋 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70596949)
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Keywords | 進行性核上性麻痺 / MRI / 萎縮 / 鑑別 |
Research Abstract |
今年度は病理学的診断が為された症例のみならず,臨床診断が為されている症例を中心とした研究を行いました.進行性核上性麻痺及び臨床的,病理学的に鑑別困難と言われている皮質基底核変性症の画像所見による鑑別が検討の中心であり,脳萎縮をボクセル単位で評価するvoxel-based morphometry(VBM)の手法を用いた評価を行っています.VBMを用いることにより,進行性核上性麻痺は中脳,皮質基底核変性症は前頭葉白質の萎縮が特徴的であることが分かり,これらを用いた鑑別法に関して,英文誌(Neuroimage: Clinical)に投稿して,受理されています.病理学的診断が為された進行性核上性麻痺及び皮質基底核変性症の症例に同手法を用いた評価を行い,その病態把握に有用であることが判明しているため,今後さらに解析を行う予定です. また,高齢者の認知症の原因として最近注目されている脳アミロイドアンギオパチーに関して,病理学的診断例を含めた症例群を用いて,その画像所見に関する評価を行い,英文誌(Insights into imaging)に投稿して,受理されております.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「MRIによる進行性核上性麻痺の診断」に関しては,今年度は先進的な手法である「画像統計解析(VBM)」を用いた解析を行い,その特徴的な萎縮所見を評価するとともに,鑑別となる皮質基底核変性症に関しても同様にその特徴を解析することができました.
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Strategy for Future Research Activity |
「MRIによる進行性核上性麻痺の評価」に関しては,今年度は当初の「関心領域法(ROI)」ではなく,「画像統計解析(VBM)」を用いた手法により,評価を行うことができました.今後は病理学的診断が為された症例を含めて,VBM及びROI法を用いた解析を行う予定です.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定と異なり,先進的な手法である画像統計解析を用いた病態解析や高齢者の認知機能低下の原因となりうる脳アミロイドアンギオパチーの画像所見の検討などを行い,当初の予定よりも早く研究結果を英文誌に投稿することができました.この投稿や英文校正による支出の増加に対応するための前倒し支払い請求により,当該年度の所要額が多くなりました.また,前年度から引き継いだ未使用額が残っており,結果として,次年度使用額が生じることとなりました. 翌年度は,引き続き,東京都健康長寿医療センター及び名古屋市立大学病院にて症例の収集及び解析を行い,翌年度分として請求する助成金と次年度使用額をあわせて,国内,国外学会での報告及び論文投稿を行う予定です.
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Research Products
(9 results)