2013 Fiscal Year Research-status Report
心筋潅流評価における320列CTとN-13アンモニアPET/CTの比較検討
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24591789
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90192070)
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Keywords | エックス線・CT |
Research Abstract |
平成25年度においては、まず本研究の実施計画の学内倫理委員会による承認(平成25年6月21日 承認番号130504)を得たのち、研究の実施を開始した。平成26年3月31日までに、研究実施計画に記載された選択基準および除外基準を満たした計3名の冠動脈疾患患者について研究計画の検査プロトコールを完了した。実施された内容は、はじめにN-13アンモニアを用いて安静およびアデノシン負荷心筋血流PET/CTを行い心筋虚血の判定、心筋虚血重症度の定量を行った。アンモニア検査終了約1週間後に、安静およびアデノシン負荷を併用した冠動脈CT血管造影および心筋潅流CT を320列CTを用いて行った。 3名の患者において、全例でアンモニアPET/CT上で狭窄冠動脈潅流域に一致して負荷時心筋血流の相対的低下および心筋血流増大予備能障害が認められた。このうち1例では高度虚血が、2例では軽度から中程度の虚血が認められた。一方、CT上では冠動脈狭窄の血管画像とともに、心筋潅流画像上で負荷時の潅流低下が認められた。3名のうち、PET/CTにおいて指摘された高度虚血および中程度虚血の2例においては該当部位にCT上でも負荷時の潅流低下がみとめられたが、軽度から中程度の虚血であった1例においてはCTでは虚血が検出できなかった。以上より、心筋潅流CTにおいては、アンモニアPET/CTで定量された高度虚血の検出は可能であるが軽度から中程度の虚血検出はできないという、これまでに指摘されてこなかった特性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度においては、学内倫理委員会の承認が得られた平成25年6月以降の開始となった。アンモニアPET/CTの研究実施プロトコールは、すでに前年度より繰り返し施行され方法的に確立されていたが、心筋潅流CTの実施プロトコールの確立に時間を要し、実際に研究開始がなされたのは平成25年11月からとなった。また、研究実施計画に記載された腎機能が正常の冠動脈疾患患者が臨床的には比較的少なかったため、患者選択に制約があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度にあたる平成26年度は、これまでの段階で確立された研究実施方法により、平成25年度未使用分を含む研究費を用いて効果的に研究計画を継続、完了する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実施に必要なCT検査プロトコールの確立に時間を要し、実際の研究開始時期が平成25年11月以降となったこと、および研究参加条件を満たす腎機能正常の患者が比較的少なかったため、予定の件数を実施できなかった。 平成26年度は、確立された研究実施プロトコールに基づき、目標とする計画を効率的に実施する予定である。
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