2012 Fiscal Year Research-status Report
縦隔腫瘍取扱い規約に基づく縦隔区分法の評価と画像診断を用いた病期分類の提案と評価
Project/Area Number |
24591799
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤本 公則 久留米大学, 大学病院, 准教授 (00199366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 文和 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30153852)
原 眞咲 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50244562)
富山 憲幸 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50294070)
楠本 昌彦 独立行政法人国立がん研究センター, 放射線診断科, 副科長 (90252767)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 縦隔腫瘍 / 縦隔腫瘍取扱い規約 / 縦隔区分 / 画像診断 / 病期分類 / CT |
Research Abstract |
本研究の代表者および分担者全員は,本邦で初めて発刊された「臨床・病理 縦隔腫瘍取扱い規約」で、世界で初めてCT横断画像による縦隔区分法を提唱し一定の評価を受けているが,本研究の目標は,さらに大多数例での妥当性の確認を行い、本方法論の整合性を確認し、国内での啓発を行い,世界に向けて発信することにある。 本年度の研究目標として,研究者が所属する基本5施設から、後ろ向きに縦隔腫瘤性病変の画像データを収集するために,各施設における倫理委員会に研究申請を行った。各研究者が、「臨床・病理 縦隔腫瘍取扱い規約」で提唱した「横断画像を用いた縦隔区分法」にしたがって各腫瘤性病変がどの縦隔区画に分類されるか読影実験を行っており,この結果をもって,症例を集積すべく,準備中である。これによって読影者間一致度を検討し、再現性の良い使いやすい方法論であるかを評価する。各腫瘤性病変の存在部位、進展範囲を縦隔区分法で検討し、方法論の整合性も検証する予定である。 各施設の症例は,基本的に画像はデータ(DICOM、 TIFF、JPGなど)での集積を行うが、画像フィルムの場合は、これをデジタル化して収集する。患者個人が特定できるようなデータは収集しない。 その他の本年度の大切な目標は,縦隔取扱い規約で提唱した横断画像を用いた縦隔区分法を英文化し、国際学会で報告することにあった。5月はVancouverで行われたAmerican Roentgen Ray Society(米国レントゲン線学会)で,10月には環太平洋肺癌学会および国際胸腺悪性腫瘍学会で,発表を行った。特に,International Thymic Malignancy Interesting Group (ITMIG)では,会長,外科部門および画像部門責任者と会合を行う機会を得て,国際基準化する運動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画で重要な点は以下であった。 (1)研究者が所属する基本5施設から、後ろ向きに縦隔腫瘤性病変の画像データを収集するための環境つくりを行うこと。(2)縦隔区分法が再現性の良い使いやすい方法論であるかを評価し,方法論の整合性も検証すること。(3)縦隔取扱い規約で提唱した横断画像を用いた縦隔区分法を国内で啓発中であるが,さらに公に総説形式で報告し発表することと,方法論を英文化し、国際学会で報告することにあった。 上記に対する本年度進行状況としては以下の通りで,おおむね順調と評価した。 (1)各施設の倫理委員会にて本研究の承認を得た。多数例の症例集積の環境作りはできたが,症例数が大多数に及ぶため,目標症例全例の集積はまだ終了していない。(2)縦隔腫瘤性病変445例を用いた過去の検討を再検証し,方法論の再確認を行った結果,再現性の良い使いやすい方法論であると評価でき,方法論の整合性も各研究者で再確認できた。(3)国内誌に総説,関連総説を掲載し,また,方法論を英文化し,国際学会で報告した。また,国際肺癌学会内のInternational Thymic Malignancy Interesting Group (ITMIG)では,会長,外科部門および画像部門責任者と会合を行う機会を得て,国際基準化する運動を行うなど,今後の国際基準作成の一助となる交流ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者が所属する基本5施設から、後ろ向きに縦隔腫瘤性病変の画像データを収集するために,各施設における倫理委員会に研究申請を行った。各研究者が、「臨床・病理 縦隔腫瘍取扱い規約」で提唱した「横断画像を用いた縦隔区分法」にしたがって各腫瘤性病変がどの縦隔区画に分類されるか読影実験を行っており,この結果をもって,症例を集積すべく,準備中である。これによって読影者間一致度を検討し、再現性の良い使いやすい方法論であるかを評価する。各腫瘤性病変の存在部位、進展範囲を縦隔区分法で検討し、方法論の整合性も検証する。 各症例のうち、腫瘍性病変に関して、胸腺上皮性腫瘍、胚細胞性腫瘍、悪性リンパ腫、神経原性悪性腫瘍では、病期分類の作成のため可能な限り患者情報を得る。 基本的に画像はデータ(DICOM、 TIFF、JPGなど)での集積を行うが、画像フィルムの場合は、これをデジタル化して収集する。患者個人が特定できるようなデータは収集しない。 胸腺上皮性腫瘍、他の縦隔悪性腫瘍に関しては、まず、従来の病期分類法の評価を行い、次いで各種画像所見を検討し、臨床情報、患者転帰との比較から予後因子を検討し、画像診断による病期分類を作成、従来の病期分類法と比較し、手術が困難な症例のための病期分類法を提唱する。 縦隔区分法の区画の整合性、読影者間一致度の検討に関しては、目標症例は1,000例を超えるように設定している(各施設から200例を超える程度であるので達成可能)。これら大多数の症例集積、患者情報の収集にはおそらく1年間は必要と考え準備してきたが,進行状況から,さらに3~4か月間必要と判断し,集積を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度で特に必要となるものは症例集積後のデータ収集で,画像はデータ(DICOM、 TIFF、JPGなど)での集積を行うため,HDなど画像保存用媒体代,個人データの保護のための作業代,文通費などが必要である。また、画像フィルムの場合は、これをデジタル化して収集する必要があり,この作業に関しては研究補助・謝礼が必要となる。 症例集積が終了した段階で,データ集積のための打ち合わせを行い,さらに研究方法の再確認,変更などの話し合いを行うため,打ち合わせ会議のための会議室使用代,交通費も必要となる可能性がある。
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