2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591800
|
Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
疋島 啓吾 沖縄科学技術大学院大学, 実験動物セクション, スペシャリスト (30420219)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神経路を構造かつ機能的に計測し、神経疾患における神経回路再編成メカニズムの解明を目的としている。そのために、これまで小型霊長類であるコモンマーモセットの脊髄損傷モデルを対象に実験を進めてきた。より複雑な神経回路の評価として、今年度はパーキンソン病モデルマーモセットを対象とした。はじめに、全体的な脳萎縮パターンを捉えるため、マーモセットにおける画素毎統計解析法を開発し、神経毒1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine (MPTP)の投与によるパーキンソン病モデルに適用した。その結果、パーキンソン病モデルにおいて、黒質領域の体積減少および黒質線条体経路における水分子拡散の増加が捉えられた。さらに顕微鏡的拡散MRIを開発し、黒質線条体経路における神経走行構造の減少を捉えることに成功した。正常および病態モデルにおいて、トラクトグラフィによる神経走行の分布はドーパミンニューロンの空間分布と一致しており、MRIによって黒質線条体経路の脱落を評価できることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでMRIによる評価が困難であった黒質線条体経路を可視化することに成功し、その成果を論文化した。開発した手法によって、黒質線条体経路に限らず、今後、脳内における様々な神経連絡の解析が可能となり、神経疾患の病態解明への貢献が期待される。一方、今年度に追加実験予定であった遺伝子可変マウスのMRI実験を完了できなかったため、やや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究協力者とのグループミーティグにおいて緊密にディスカッションしなから実験を進めて行く。特に、遺伝子改変マウスの実験を進める。
|
Causes of Carryover |
所属機関の異動があり、移動先の機関でのMRI実験環境のセットアップに時間を要した。そのため予定通り実験を実施することが出来ず、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子改変モデルマウスのMRI実験に必要な麻酔、酸素ガスといった実験用試薬や、組織評価として組織固定試薬に使用する。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Parkinson Disease: Diffusion MR Imaging to Detect Nigrostriatal Pathway Loss in a Marmoset Model Treated with 1-Methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine.2015
Author(s)
Hikishima K, Ando K, Yano R, Kawai K, Komaki Y, Inoue T, Itoh T, Yamada M, Momoshima S, Okano HJ, Okano H
-
Journal Title
Radiology
Volume: 275
Pages: 430-437
DOI
Peer Reviewed
-