2012 Fiscal Year Research-status Report
同所移植モデルを用いた膵臓癌の診断及び治療への応用を目指すPETイメージング研究
Project/Area Number |
24591804
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
U・WINN Aung 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (70392214)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵臓癌 / 同所移植膵臓癌モデル / PETイメージング / マルチモーダルイメージング |
Research Abstract |
膵臓癌は腫瘍の中で最も予後が悪く、高死亡率と低生存率が報告されている。早期診断および効果的な治療方法が主な課題である。一方癌研究には臨床の状況にできるだけ密接し、適した腫瘍モデルを確立することが望ましい。本研究の目的は、(1)臨床の状況を反映する同所移植膵臓癌モデルを確立すること(2)当モデルを用いて膵臓癌の診断及び治療に応用可能な様々新しいPETイメージングプローブを前臨床段階で検討することである。 今年度は,赤色蛍光タンパク(RFP)レポーター遺伝子を安定導入したヒト膵臓癌細胞株を確立して、その培養細胞をヌードマウスの皮下に移植して腫瘍モデルをまず作製した。そしてドナーヌードマウスに作った皮下腫瘍の一部を最適な手術法によりレシピエントマウスの膵臓に移植する同所移植膵臓癌モデルを確立することに成功した。膵臓に直接注射法に見られる細胞懸濁液の漏出による腹膜スプレッドと癌腫症などを避ける事ができ、急速かつ予測可能な腫瘍の成長が高い Tumor take rate (100%)で得られた。さらに、当モデルを用いて腫瘍のαvβ3インテグリンをターゲットする64Cu-RAFT-RGD PETイメージングプローブの有用性を検討している。様々な膵臓癌細胞株と腫瘍におけるαvβ3インテグリンの発現をWestern blotting, fluorescence-activated cell sorting (FACS) 手法で調査した結果、ある膵臓癌細胞株 (例;BxPC3, PANC-1) にαvβ3インテグリンの高発現が見られた。64Cu-RAFT-RGD プローブのin vivo biodistribution や blocking 実験などを行い、プローブの腫瘍と非腫瘍組織への集積および集積の特異性なども検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」の二つの内一番目である臨床の状況を反映する同所移植膵臓癌モデルを確立した。急速で予測可能な腫瘍成長を示す移植モデルは確実に再現できている。高いTumor take rate、浸潤性、なども in vivoとex vivo蛍光イメージング法で確認できている。 膵臓癌の診断に応用可能な候補 PETイメージングプローブで三つ (64Cu-RAFT-RGD、 11C-Sorafenib、 11C-DAC)の内, 今年度は 64Cu-RAFT-RGD プローブに注目し, in vitro、in vivo 実験などを行い、前臨床段階での検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
膵臓癌の診断のための理想的な画像診断法とプローブはまだ確定していない。近年、膵癌の評価のために 18F-FDG-PET は最も一般的に用いられているが、 false positive や false negative の所見があり診断の正確さが制限されている。したがって、この検査では代謝変化よりも病気特有の異常分子をターゲットすることが望ましい。そこで、αvβ3インテグリンをターゲットする 64Cu-RAFT-RGD PET プローブ を用いて小動物PETイメージングを行い、同じマウスの 18F-FDG-PET と比較する。正確で簡単に膵臓癌病変の発見に向けてPETイメージングとCT、MRIのような形態イメージングを併せて評価する方法も実行する。特にPETイメージング後造影CT(CECT)を行い、PET/CECT融合イメージより得られた画像解析からプローブの生体内安定性、腫瘍への集積、集積の特異性、他の組織への分布、クリアランス、時間活動曲線、などを調べてから新しいPET プローブの実用性を検討する。 撮影後、腫瘍と非腫瘍組織へのプローブ蓄積とプローブ特異性をex vivoオートラジオグラフィー法、組織化学的染色法、免疫組織化学的染色法、免疫蛍光試験などによって総合的に検証する。 他の候補プローブである, 11C-Sorafenib と 11C-DAC の膵臓癌診断及び治療に対して応用が可能か否かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた研究費を使用して予定通り実験を次年度に行う。
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Research Products
(1 results)