2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内山 良一 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (50325172)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ラクナ梗塞 / 脳動脈瘤 / コンピュータ支援診断 |
Research Abstract |
本年度は,ラクナ梗塞検出のためのコンピュータ支援診断システムの高度化に取り組んだ.従来法では,T2強調画像から円形孤立性の陰影を抽出し,抽出した陰影から大きさ,形状,位置,信号強度などの情報を計測し,それらを入力とした識別器によって,ラクナ梗塞と偽陽性を区別していた.本研究を実施するにあたり,まず従来法の問題点を検討した.従来法による偽陽性の傾向を分析したところ,脳室の一部や脳溝の一部など明らかな偽陽性が含まれていることが明らかになった.これらを誤検出した原因は,脳室の一部や脳溝の一部が円形孤立性の陰影であり,その部分を従来法ではラクナ梗塞と識別したためであった.しかし,これらの偽陽性は,抽出した陰影の周りに他の脳室や脳溝があるという特徴があるため,初期候補として検出した陰影の周りの特徴を取り入れる手法を開発すれば,ラクナ梗塞との区別が可能である分析結果を得た.そこで,テンプレートマッチングを検討した.抽出した陰影を中心に関心領域(ROI)を選択し,ラクナ梗塞ROIと偽陽性ROIの類似度を計算して,ラクナ梗塞と偽陽性を区別した.この手法を適用したところ,従来法の結果から,17.1%の偽陽性を削除することができた.つぎに,テンプレートマッチングによる手法の問題点を検討した.この手法の問題点は,①検出感度を向上するために多くのテンプレートが必要であること,②テンプレートとの類似度を求める相互相関係数の計算時間がかかることである.そこで,これらの問題を解決するために固有空間テンプレートマッチングを検討した.固有空間テンプレートマッチングを適用したところ,従来法の結果から34.1%の偽陽性を削除できる成果を得た.最終的な性能は,検出率が96.8%のとき,画像1枚あたりの偽陽性数が0.47個となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラクナ梗塞検出のためのコンピュータ支援診断システムの高度化を目標にした研究を実施した.従来法と比較して,検出率を96.8%に保ったままで,偽陽性数を34.1%削除することができる研究成果を得た.よって,おおむね順調に研究が進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
テンプレートの選択を行うためにAdaBoostの概念を取り入れた手法を検討し,これまでの方法との比較を行う予定である.これらの新しい手法を,ラクナ梗塞検出のコンピュータ支援診断システム,及び未破裂動脈瘤検出のコンピュータ支援診断システムの高度化に応用する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
岐阜大学との共同研究を進めるための旅費,成果を学会で発表するための旅費,成果を論文にするための英文校閲料及び投稿料,研究を進めるためのソフト,ハードディスクなどの物品費などに使用する計画である.
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Research Products
(6 results)