2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591815
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内山 良一 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (50325172)
|
Keywords | ラクナ梗塞 / 未破裂脳動脈瘤 / コンピュータ支援診断 |
Research Abstract |
本研究課題の目標は,典型的なパターンと特殊なパターンの陰影を検出する方法論の開発である.本年度の成果は,従来型のテンプレートマッチングの手法にAdaBoostのアイデアを取り入れることによって,典型的なパターンと特殊なパターンの陰影を検出するAdaBoost テンプレートマッチングの新技術を開発したことである.従来のテンプレートマッチングによる手法では,テスト症例の病巣と良く似ているテンプレートが学習データに含まれている場合に効率良くその病変を検出することができる.よって,検出精度を高めるには,なるべく多くの病巣を集めてそれらを学習データとして用いれば良い.しかしながら,学習テンプレートとして使用する病巣を多く集めることは一般に困難であるため,少ない学習テンプレートでもうまく機能する工夫が必要であった.この問題の解決策として,複数のテンプレートから病巣の平均画像と偽陽性の平均画像をそれぞれ作成し,どちらの平均画像に似ているかの基準で識別を行い,その平均画像を作成する際のテンプレートの選択にAdaBoostを採用する方法を考案した.AdaBoostテンプレートマッチングでは,弱識別器の学習で病巣を区別するために最適なテンプレートを選択することができる特長がある.また,平均画像との比較で識別を行うため処理時間も短縮できる効果がある.AdaBoostテンプレートマッチングによって,典型的なパターンと特殊なパターンの陰影を検出するための弱識別器を構築し,それらの出力を統合した強識別器によって,様々なパターンの陰影を検出する手法を開発し,ラクナ梗塞の検出に応用する実験を行った結果,真陽性率が96.8%のとき,偽陽性数0.32個/スライス画像の結果を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AdaBoostテンプレートマッチング法を開発し,ラクナ梗塞の検出に応用した.ラクナ梗塞の検出率を下げることなく,55.5%偽陽性を削除することができ,ラクナ梗塞の検出精度を大幅に向上する研究成果を得た.よって,本研究課題の達成度は概ね良好である.
|
Strategy for Future Research Activity |
典型的なパターンと特殊なパターンの陰影を検出するために,これまで開発してきた識別器の組合せによる手法を,未破裂脳動脈瘤の検出にも応用し,その有用性を検討していく予定である.また,これまでの研究によって,テンプレートマッチングを用いる際に,①処理を実行する際に読込む必要のあるテンプレートのデータ量が多い,②それらのテンプレートとの相互相関係数の計算に時間がかかる,の2つの問題があることが明らかになった.そこで,カーネル主成分分析を用いてテンプレートの次元を圧縮し,上記2つの問題の解決を試みる予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表を予定していたが,校務と重なり参加できなかったため. 最終年度であることから研究成果を国際学会で発表することに使用する予定である.
|