2013 Fiscal Year Research-status Report
抗腫瘍免疫を増強する放射線治療法確立のための基礎的研究
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24591832
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 仁 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70344918)
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Keywords | 抗腫瘍免疫 / 放射線治療 / サイトカイン / GM-CSF / TGF-β |
Research Abstract |
定位放射線治療を施行した転移性乳癌26症例について、放射線治療前後の12種類の血清サイトカインを測定し、治療成績にどのような影響を与えるかについて検討した。その結果、治療前のGM-CSFの中央値は65.3 pg/mlであり, 治療後は109.0 pg/mlであった。治療前・後のサイトカイン値の変動で2群に分けた場合、GM-CSF上昇群(n=11)は5年全生存率が59%であったのに対し、GM-CSF非上昇群(n=15)では18%であり、GM-CSF上昇群で良好な結果であった。GM-CSFの照射による誘導が予後予測となる可能性が示唆された。 一方で肝照射後の線維化とTGF-β1発現の関係についてラットモデルで検討した。長期肝障害モデルとして術中照射法を用い、照射40週まで経時的に組織学的検討を行った。細胞死の指標としてTUNEL染色を行った結果、15Gy群と30Gy群で有意にTUNEL陽性細胞は増加したものの、15Gy群のみ40週後にコントロール群(0Gy)と同様のレベルまで低下した。肝細胞数、Ki-67陽性細胞も同様の経時的変化を示した。一方で、TGF-β1発現は15Gy群、30Gy群とも40週後も高発現が持続しており、肝障害シグナルと細胞死、細胞増殖の関係が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度まで行ってきた抗腫瘍免疫に関するマウス実験について、サイトカインと生存や局所効果への影響についてはGM-CSFとIFN-γの照射による誘導が治療効果に有利に働くことが示された。しかし、初年度に登録した連携協力者が出産に伴う長期休暇により、今年度行う予定であった局所効果と免疫組織化学染色法によるアポトーシス関連蛋白発現との関係についての検討を十分に行うことができなかった。一方、定位照射後の血清サイトカインの動向と予後予測に関しては長期成績にGM-CSFが関連することを見出すことができ投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進んでいるものの、マウス実験に関しては免疫組織化学染色を行い、とくに局所効果についてどのようなシグナル伝達が関与しているのかについての検討を行う。臨床材料についてはデータの整理とともに、解析結果を明確にし、速やかに論文発表ができるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス実験に関してはTCD50の決定とサイトカイン測定が当初予定していたよりも順調に進んだことに加え、予想していた解析結果が想定していたよりも少ない頭数で得られたことで必要経費が少なくなった。 一方で免疫染色については予定よりも遅延しているため、次年度で抗体や染色キットなどの新規購入にかかわる経費が生じる。また、追加実験としてB細胞系の免疫応答を検討するため必要経費が新たに生じる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Health-related quality of life after carbon-ion radiotherapy for prostate cancer: A 3-year prospective study.2014
Author(s)
Katoh H, Tsuji H, Ishikawa H, Kamada T, Wakatsuki M, Hirasawa N, Suzuki H, Akakura K, Nakano T, Shimazaki J, Tsujii H.
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Journal Title
Int J Urol.
Volume: 21
Pages: 370-5
DOI
Peer Reviewed
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