2012 Fiscal Year Research-status Report
放射線による筋管細胞形成障害の分子メカニズムの解明と防護方法の研究
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24591839
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
櫻井 智徳 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (90400142)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋芽細胞 / 筋管形成 / 筋管形成阻害 / 増殖因子 / IGF-1 / FGF-2 / HGF |
Research Abstract |
本申請においては、筋芽細胞から筋管が形成される過程が放射線照射によって阻害される原因の解明および筋管形成の阻害に対する効果的な防護方法の確立を目指している。ここまでに、インスリン様増殖因子(IGF-1)を防護剤として使用できる可能性を見出しているが、IGF-1と悪性腫瘍の関連が示唆されていることを鑑みて、平成24年度は、IGF-1に代わる、放射線防護作用を有する増殖因子の探索評価を行なった。 マウス由来の筋芽細胞株C2C12細胞を用い、増殖因子の候補として線維芽細胞増殖因子(FGF-2)、肝細胞増殖因子(HGF)に関して検討した。γ線照射(2および4 Gy)後分化誘導を6日間継続し、形成される筋管を蛍光免疫染色によって同定し、形成筋管量を定量することによって評価した。その結果、FGF-2には、γ線照射によって遅延している筋芽細胞の増殖に対してIGF-1を上回る顕著な促進効果がみられ、HGFには、γ線2 Gy照射時には優れた防護効果がみられた。これらの結果は、FGF-2、HGFも防護剤として使用できる可能性を示しており、来年度以降検討を継続していくこととした。 今年度研究の当初から、細胞株の入手先によって結果が異なる現象が確認され、この現象に関する検討も並行して行なった。細胞株の未分化度を、Pax-7、NCAM-1の発現をリアルタイムRT-PCRによってモニターし、それぞれの細胞株のγ線に対する筋管形成阻害度合いを定量化し、関連を検討したところ、Pax-7が低発現であると筋管の形成も大きく阻害されていた。今後、修復遺伝子発現、細胞周期チェックに関わる遺伝子発現も検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度から所属が変更になり、異動直後は、研究環境の細かい最適化、必要な器具、消耗品、消耗備品の追加に追われることもあったが、徐々に体制が整い、後半は十分研究を進めることが出来るようになった。平成25年度には学会発表も可能な状態になっており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度で感触の良かった増殖因子、FGF-2、HGFについて併用の可能性を探索する。このことによって、防護方法の大枠が決められると考えられる。 平成24年度から一部開始している、筋管形成に関連する4個の主要な転写因子の発現プロファイルをさらに進めていく。平成24年度の検討では、半定量リアルタイムRT-PCRを用いたが、標準化に用いるハウスキーピング遺伝子の選択で傾向が変わっており、標準化遺伝子の選択を始め、慎重に吟味していく予定である。4個の主要因子の解析に関しては、蛍光免疫染色法も検討する。分化誘導過程はヘテロな状況であるから、系全体を定量する方法よりも、発現位置が個別に検出できる免疫染色の方が適している可能性もあり、両者のデータから、放射線影響の正しい姿を明らかにする。この検討によって、放射線が影響を及ぼすメカニズムに対する情報が得られる可能性が高いので、メカニズムの観点から防護方法をさらにに詰めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、細胞培養、蛍光免疫染色、リアルタイムRT-PCRを主な検討手法としているために、細胞培養にかかわる培地、栄養物質、プラスチック製品の購入、蛍光免疫染色に使用する抗体、2次抗体の購入、リアルタイムRT-PCR用の試薬、プライマーの購入費が発生する。平成24年度の検討で感触の良い増殖因子の検討を進めるため、増殖因子を購入する費用が発生する。 研究成果がまとまりつつあり、平成25年10月青森市で開催される放射線影響学会で発表、議論し、最新の知見を得るために国内旅費が発生する。また、英文で論文を発表するために、英文校閲の費用が発生する。
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Research Products
(2 results)