2014 Fiscal Year Annual Research Report
高精度・低副作用な放射線治療計画を可能とする経時的な線量分布参照システムの開発
Project/Area Number |
24591841
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上村 幸司 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (00308199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 裕 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 病院長 (20118904)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線治療計画 / 線量分布 / 非線形位置合わせ / DICOM-RT / GPU |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実績として以下の2点の概要を示す。 ●GPUを使った3次元非線形レジストレーションの精度および速度評価 本研究では、複数回放射線治療の合成した線量分布を求めるために、同一患者の異なる時期に撮影した複数のCT画像を3次元非線形レジストレーションにより位置合わせをする方法の検討を行っているが、処理時間は課題の一つになっている。そこで、GPUを用いた3次元非線形レジストレーションを新規に実装し、速度及び精度の評価を行った。GPUの実装では、CPUに比較し約16倍の高速化を達成した。また、精度についてはCPUとGPUで大きな差は見られなかった。今後の課題は、システム全体での速度の評価、テクスチャメモリ等を使った計算の高速化の検討である。また、GPUにおいて倍精度浮動小数点で計算した場合の速度、精度の評価も課題の一つである。さらには今後、線量分布画像の変形・位置合わせの評価も行っていく予定である。 ●線量分布ファントム画像を用いた非線形変換の妥当性の検証 CT画像および線量分布画像についてファントム画像を基に変形の妥当性の検証を行った。CT画像および線量分布画像のファントム画像を作成し、非線形位置合わせを行った結果、線量分布の変形について、CT画像の変形との不整合は見られなかった。しかしながら、ベースとなる CT画像の位置合わせの変形量が少ないため線量分布の変化も大きくなかった。処理時間については、先行研究の臨床画像処理より25-50%以上短い時間で処理を終了した。これは、生成されているファントム画像データの位置合わせに利用するための情報が均一であり、変形の収束条件に早く合致するためであると考えられる。今後、炭素イオン線のような急峻な線量分布における位置合わせでも問題ない処理が実現できているかどうか、ファントム画像のバリエーションを追加して試験を行う方針である。
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