2012 Fiscal Year Research-status Report
画像誘導放射線治療における位置決めCTの被ばく線量評価及び線量と画質の最適化
Project/Area Number |
24591843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 不次男 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (00295148)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | kV-CBCT / IGRT / 吸収線量 / 被ばく線量 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
画像誘導放射線治療(IGRT)による位置決めX線Cone-beam CT(CBCT)の被ばく線量評価において,以下の研究成果を得た.(1) kV-CBCTの吸収線量測定用ファントムとして,頭部用と腹部用の円筒水ファントムを作成した.本ファントムは,中心と周囲4箇所で電離箱による吸収線量測定が可能である.(2) kV-CBCTファントムを用いた吸収線量計測法として,Co-60で校正されたファーマ型電離箱を用い,Co-60とkVの電離箱の補正係数をモンテカルロ法から算出し,絶対線量を求める手法を確立した.(3) CT画像を用いたモンテカルロ法による線量分布計算では,まずkV-CBCTのビームモデリングを水ファントムを用いた線量分布測定と計算との比較から検証し,次にCT画像を用いてkV-CBCT撮影条件での線量分布を計算した.この際,治療寝台をモデリングすることで,より精度の高い線量計算が可能になった.モンテカルロ法による線量分布は,(2)項で測定した吸収線量によって校正した.これらの線量分布はCT画像上に表示可能とした.(4) 線量体積ヒストグラム(DVH)による臓器線量の評価では,算出した線量分布から各臓器のDVHを算出し,定量的に臓器線量を評価した.kV-CBCTによる吸収線量は,MV-CBCTやMV-Fan beam CT(FBCT)等の線量と比較した. 以上の研究成果からkV-CBCTの吸収線量計測法の確立,CT画像上への線量分布の表示,DVHによる臓器線量の定量的な評価が可能になった.本研究成果は治療患者のQOL向上に重要であり,IGRT被ばく線量ガイドラインに有用な情報を提供する.今後の研究の展開としては,IGRT線量と放射線治療線量との積算線量のDVHによる定量的な評価や線量と画質の最適化等を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね研究計画通りに課題項目を遂行することができ,予想以上の研究成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果でkV-CBCTの臓器線量の定量的な評価が可能になった.今後はkV-CBCTの装置間の比較やMV-CBCTやMV-FBCTとの線量比較,さらに画質評価,線量と画質の最適化を行う.また,各部位(頭部,頚部,胸部,腹部,骨盤部)の臓器線量の定量的な評価を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,当初予定していた謝金が発生しなかったために約12万6千の繰越が生じた.これは平成25年度の必要経費に当てる.
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Research Products
(6 results)