2012 Fiscal Year Research-status Report
癌細胞ー正常細胞相互作用を介した放射線応答機構の解析
Project/Area Number |
24591857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
下川 卓志 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, チームリーダー (20608137)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線科学 |
Research Abstract |
平成24年度は、蛍光タンパク質安定発現細胞株の樹立を行い、vivoでの運用に関する検討を行った。関連シグナルの同定では、マウス扁平上皮癌細胞とマウス正常線維芽細胞との共培養により放射線照射による生存率が10-20%増加し、また2Dと3D培養では倍近い生存率の差が認められた。現在その条件下での遺伝子発現解析を進行中である。さらに、がん細胞株と正常免疫細胞との共培養により、がん細胞株の照射による免疫細胞の活性化などの効果が認められた。 vivoの解析では、マウス扁平上皮癌細胞などにおいて、vivoとvitroでの放射線感受性に対しても差があることが明らかになった。以上の結果も同様に伝子発現解析を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画である蛍光タンパク質安定発現細胞株の樹立は予定通り終了した。もう一方の関連シグナルの同定実験は、共培養により生存率に差が出ることを明らかにし発現解析を実施中である。25-26年度に計画していたvivoでの実験の一部を先行して行った、放射線感受性への細胞間相互作用が影響だけでなく、免疫細胞の活性化へも影響しているなど興味深い成果を得ている。 また、24年度に得られた成果を含む内容は、広島大原医研国際シンポジウムおよび文部科学省 新学術領域研究「がん支援」個体レベルワークショップにて報告した。 以上の理由から、現在までの達成度については、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施中の遺伝子発現解析により、候補となるシグナル伝達系を同定し、その解析を行う。さらに本年度の解析でvitroとvivoでの解析において異なる応答を示した条件において、その候補シグナルが関与しているのか検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス購入・飼育費用が100千円、細胞培養試薬類が170千円、分子生物学的解析試薬類が300 千円、シングルセル解析に200千円、プラスチック消耗品に200千円、 学会旅費に30千円、さらに論文校閲・投稿、学会参加費に200千円とする。
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