2014 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線におけるmiRNAの発現より新たな中皮腫治療法の可能性
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24591859
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
劉 翠華 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 主任研究員 (00512427)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 悪性中皮腫 / 重粒子線 / miRNAの発現 / miRNA profile / miRNA mimic / miRNA inhibitor / 細胞増殖 / テーラーメード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度では、これまで悪性中皮腫細胞を用いてX線や重粒子線照射24時間後に綱羅的miRNAプロファイリング解析を行った結果、同じ中皮腫細胞でも違うcell lineであれば異なるmiRNAが発現する事が判ってきた。今年度、炭素線照射後高発現されたmiRNAについて細胞増殖、細胞周期、および染色体異常について調べた。 MESO-1細胞について、高LET炭素イオン線照射後、miR-144-3pが高発現することが分かった。miR-144-3p mimicを用いてMESO-1細胞にtransfectionして、MTT法とコロニー法にて分析した結果、miR-144-3pは有意に細胞の増殖を抑制することが明らかになった。また2Gy高LET炭素イオン線照射後、高発現されたmiR-144-3pをmiR-144-3p inhibitor transfectionし、miR-144-3pの発現量を低下させたところ、細胞の増殖が有意に増加することが分かった。以上の結果からMESO-1細胞に人工的にmiR-144-3pを高発現させると、MESO-1細胞の増殖が有効に抑制されることが示唆された。またmiR-144-3pについて、これを高発現させたMESO-1細胞でも細胞周期には影響しない、また染色体異常頻度も影響しない事が判った。 MESO-4細胞はX線と比べて、高LETの炭素イオン線を照射した方が9種類のmiRNA がアップレギュレートされて、この中で変動の大きいmiRNA miR-718 mimicを用いてMESO-4細胞にtransfectionして、高発現させたmiR-718 はMESO-4細胞の増殖を有意に抑制する事が判った。 以上の結果からmiRNAは中皮腫細胞の増殖を抑制する事が明らかになった。miRNAは、中皮腫患者のテーラーメード医療について非常に重要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Effects of shielding on the induction of 53BP1 foci and micronuclei after Fe ion exposures.2014
Author(s)
Hu W, Pei H, Li H, Ding N, He J, Wang J, Furusawa Y, Hirayama R, Matsumoto Y, Liu C, Li Y, Kawata T, Zhou G.
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Journal Title
J Radiat Res
Volume: 55(1)
Pages: 10-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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