2013 Fiscal Year Research-status Report
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24591863
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
寺島 秀夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10361338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 信弘 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40213673)
只野 惣介 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70570688)
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Keywords | 創傷治癒 / 消化管吻合 / PRP / 線維芽細胞 / Collagen |
Research Abstract |
平成24~26年度の研究課題に設定されている「PRPが消化管吻合部の創傷治癒を促進するメカニズムの解明」を中心に研究を進めた. 【方法】ヒト大腸線維芽細胞CCD18Coを用い, PRPと共培養を行った際の細胞増殖・Collagen産生を検討した. PRP(5×109個/ml)を0.5~5%の各濃度に調整した上で共培養し, 24-48時間後の細胞増殖を CCK-8およびWestern blot法を用いて検討した. 細胞増殖を検討した培養上清中のCollagen type I濃度をELISAにより検討した. また, Collagen産生に関係するシグナル伝達系およびCollagen type I mRNAの発現を検討した. 【結果と考察】大腸線維芽細胞は各濃度のPRPを共培養すると, 0.5%及び1%PRPでは著明に増殖し,1%濃度において最大効果が得られたが,高濃度になると細胞増殖促進効果は鈍化し逆に減退する傾向を示した.また, 増殖系シグナルであるAKTやERKはPRP共培養5分後より活性化を認め, 60分後にシグナルのピークを認めた. PRPによるcollagen産生の促進効果は共培養24時間の時点では発現しておらず, 48時間後に有意に増加し1%PRPで最大の効果が得られた. collagen産生促進効果にはlag timeが認められ,消化管吻合における 創部肉芽組織増生までのlag timeを再現しているものと考えられた. Collagen産生促進に関与するTGF-βを介したシグナル伝達系は活性化されておらず, さらにCollagen type I mRNAの発現はPRP共培養により促進されなかった. 【結論】in vitroの検討では, PRPの創傷治癒促進効果には至適濃度が存在し,その主たるメカニズムは線維芽細胞に対する増殖促進効果であり, 線維芽細胞数の増加に伴ってCollagen産生量が増大している可能性が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再現性の検証のため, in vitroの実験に時間を要し,予定していたin vivoの実験に遅延が発生した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の展開 1.PRPに含まれる成長因子のうち, 濃度によって創傷治癒抑制の原因となる増殖因子をin vitro において同定する. 2.collagen産生の前倒しを可能にする増殖因子配合ならびに濃度をin vitroにおいて検討し, 結果が把握され次第, in vivoにおいての立証実験を開始する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
再現性の検証のため, in vitroの実験に時間を要し,予定していたin vivoの実験に遅延が発生した. PRPに含まれる増殖因子を解析するためのELISAキットの購入と, 各増殖因子の購入費用とする.
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