2012 Fiscal Year Research-status Report
マクロベジクラー脂肪肝グラフトの脆弱性の原因究明とその対応策
Project/Area Number |
24591868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
工藤 篤 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20376734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真二 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30253420)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝動脈 / 肝移植 / 脂肪肝 / 類洞 / 解毒機構 |
Research Abstract |
冷保存虚血再灌流障害におけるMacrovesicular 脂肪肝グラフトにおける生体内異物解毒機 構は未知であり、本研究の目的はMacrovesicular 脂肪肝の虚血再還流障害に対する脆弱性の病態生理を明らかにし、その対策を確立することである。研究の第一段階は、sinusoidal perfusion rate とfunctional sinusoidal density といった古典的方法に代わるあたらしい微小循環評価方法の確立を行うことであるが、Floenizer2Dという流体力学解析ソフトを応用することで、High speed videomicroscopyを用いた全赤血球のスピードがわかるようになった。類洞内の赤血球のスピードは5~150m/secであり、肝動脈クランプで0~75m/sec, 肝動脈クランプ解除で0~300m/secとなることが分かった。肝動脈クランプ前後で類洞血流は4倍に増加する現象が世界で初めて確認された。門脈クランプでは0~25m/secとなるに過ぎないため、門脈血流がどのように関与しているのかを調査中である。肝動脈が類洞に流入する血流パターンは4通りであり、すなわち、グリソン内細胆管周囲の栄養血管、最終門脈枝、限界版、類洞に直接流入である。虚血再還流障害に伴う血流再開のheterogenityは報告されてきたが、それが何故起こるのかは明らかではなかった。本研究はこのHeterogenityの病態生理解明に光明を見いだしたと考える。今後、同手法を用いてMacrovesicular steatosis に伴う微小循環を解析し、続いてそれが虚血再還流によってどう変化するかを観察する。微小循環の評価をもとにそれらの変化がMrp2 機能にどのような影響を与えるかを定量的に解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
類洞の血流評価の技術革新により、このレベルに想定されていた時間が大幅に短縮された。Macrovesicular 脂肪肝におけるMrp2の機能障害についても同時に行っており、予備実験で予想通りの結果を得ている。 ただし、肝動脈血流と再疎通類洞の関係が新しく発見されたため、肝動脈血流がMacrovesicular脂肪肝でどのように変化しているのか、病理とIntravital videomicroscopyの挟み撃ちで確認して行く作業が必要となった。肝動脈クランプ時間と再還流類洞の関係、さらに肝機能との関係を詳細に調査するなど、考えれば予想より早く進展しているとは言えない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.正常肝臓において肝動脈クランプ時間と再疎通類洞、あるいは再還流類洞のheterogenityの関係を明らかにする。肝動脈クランプに伴うMrp2機能の関係を明らかにする。heterogenityな再還流類洞の病理組織所見、あるいは電子顕微鏡による評価とIntravital videomicroscopyによる各類洞の血流評価定量化を行う。血液検体についてはAST, ALT, total bilirubin, lactate の測定を行う。 胆汁については単位時間毎の胆汁流量の測定と成分分析を行う。分析する項目は血液献体の項目に加えて Bile salts, glutathione (GSSG, GSH),phospholipids とする。 2.脂肪肝において肝動脈クランプ時間と再疎通類洞、あるいは再還流類洞のheterogenityの関係を明らかにする。肝動脈クランプに伴うMrp2機能の関係を明らかにする。heterogenityな再還流類洞の病理組織所見、あるいは電子顕微鏡による評価とIntravital videomicroscopyによる各類洞の血流評価定量化を行う。血液検体についてはAST, ALT, total bilirubin, lactate の測定を行う。 胆汁については単位時間毎の胆汁流量の測定と成分分析を行う。分析する項目は血液献体の項目に加えて Bile salts, glutathione (GSSG, GSH),phospholipids とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験設備はすべて整っているので、新たに50万円を超える実験器具を購入する必要はない。消耗品、人件費、旅費、印刷費などに利用する
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Morphological and microarray analyses of human hepatocytes from xenogeneic host livers.2013
Author(s)
Tateno C, Miya F, Wake K, Kataoka M, Ishida Y, Yamasaki C, Yanagi A, Kakuni M, Wisse E, Verheyen F, Inoue K, Sato K, Kudo A, Arii S, Itamoto T, Asahara T, Tsunoda T, Yoshizato K.
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Journal Title
Lab Invest
Volume: 93(1)
Pages: 54-71
DOI
Peer Reviewed
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