2012 Fiscal Year Research-status Report
重複大動脈瘤に対する動的パラメーターによる新診断法の開発
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24591871
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大竹 裕志 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 教授 (60283131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 剛 金沢大学, 医学系, 教授 (60242492)
松澤 照男 北陸先端科学技術大学院大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80020824)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 重複大動脈瘤 / コンピューターシミュレーション / ステントグラフト内挿術 |
Research Abstract |
平成24年度は研究実施計画に基づいた実験により下記の結果となった. 【目的】コンピューターシミュレーションにより,重複大動脈瘤に対する両方・片方のみのステントグラフト内挿術前後の瘤内圧・血流の変化を測定し,計算の基礎的条件を明らかにするよう試みた. 【方法】a)理想形状を用いた軸対象解析を行うため,以下のモデルを作製した.中枢側末梢側に大動脈瘤が二つある (Case A),中枢側に大動脈瘤残存 (Case B) ,末梢側に大動脈瘤残存 (Case C),大動脈瘤残存なし(CaseD) b)解析形状 流入から一つ目までの瘤までの距離100mm, 2つ目の瘤から流出の距離150mm管径は,R=12.5 mm, 25mm瘤径は,r=25.0 mm,50mm(嚢状・紡錘状大動脈瘤の治療判断基準である径の2倍とする)瘤の長さは30.0mm,瘤の間隔は50mm,100mm,150mm c)物性値 血液を想定 (密度ρ=1050 kg/m3, 粘度μ=0.0035 Pa•s) d)境界条件 Inlet 速度プロファイルを設定 Outlet 圧力 0 (Pa) Wall no-slip, rigid 以上の条件を設定し,Axis軸計算を行った.また,瘤の形状・瘤径,境界条件を変化させてCaseA-Dの血管内の圧力分布,血流について測定した. 【結果】CaseAよりCaseBにおいて,中枢側の圧力分布は上昇する傾向が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初期条件の設定に難渋したため.
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Strategy for Future Research Activity |
模擬循環回路にて重複大動脈瘤を作製,模擬循環回路にて重複大動脈瘤を作製,ステントグラフト内挿を両方または片方の瘤に行い,wave intensityの変化を計測する.本法により瘤内圧・血流変化を測定し,シミュレーションの結果の検証を行う. 過去及び研究期間中の臨床例の画像を用いretrospectiveにコンピューターでステントグラフト内挿シミュレーションを行い,実際の治療成績と比較し,臨床的要因との関係も明らかする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直径20mmの部分的に拡張を有するラテックスチューブを作製する.拡張部の径は25mm,50mmのサイズを設定する.瘤の長軸方向は30mmを各拡張径に対し作製し,瘤の間隔は50mm,100mm,150mmとする.c)ステントグラフトはグラフト厚0.1mmのポリエステル及び M-Kステントは直径24mmのものを作製する.d)チューブにステントグラフトを両方の瘤もしくは片方の瘤に内挿する.ポンプとチューブを接続し,チューブ中枢側とexclusionされた瘤内に圧センサーを設置する.超音波wave intensity測定プローブ(prosoundα7,ALOKA,Tokyo)を設置する.e)ステントグラフトを留置した状態でのwave intensityを測定し,《実験1》の結果と比較検討を行う. 次に,同意の得られた患者様に対して施行する.胸部~骨盤までを撮影した造影CT画像(thin slice撮影幅1.5mm以下)をDICOMデータでコンピューターに保存.大動脈・大動脈瘤内の「流れ」,「圧力分布」について解析する.実際の臨床例での結果と対比し,臨床的要因との関係を検討する. 尚、平成24年度残額が生じたのは,現状で使用できるものを利用した為,予測していたよりも本年度の実験費用がかからなかったことに加え,本研究に関連する情報収集が可能な学会に参加できなかったことにある.
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