2013 Fiscal Year Research-status Report
生体の持つ抑制性液性免疫システムを利用した慢性拒絶反応の新しい治療戦略
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24591874
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
羽根田 正隆 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座講師 (50436995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 研太 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座講師 (10508881)
小林 孝彰 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (70314010)
三輪 祐子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員(Researcher) (90572941)
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Keywords | 移植免疫 / 慢性抗体関連型拒絶反応 / donor specific antibody / ABO 血液型 / 形質細胞 / 超可変領域 / IgG サブクラス |
Research Abstract |
1.患者検体よりDSA産生形質細胞の培養を行う:名古屋第二赤十字病院にて腎臓移植を受ける予定の患者のうち既存抗HLA抗体陽性症例より末梢血B細胞を用いてmouse CD40 ligandおよびmouse BAFFを発現するBalb3T3細胞と共培養を行ったところ、培養上清中にIgGおよびIgMの出現を確認できた。しかしながら培養上清中からDSAは検出出来なかった。メモリーB細胞は培養により増殖したが、IgG陽性細胞は培養初期に消失している事が明らかとなり、末梢血中に元々あるIgG陽性メモリーB細胞を増やす事が出来なかった。そのためマウスfibroblastにhuman CD40 ligandを安定発現する細胞株の樹立した。このCD40 ligand弱陽性細胞を用いIL4を添加する事でメモリーB細胞を分化させずに増殖させる事が可能となった。また増殖させたメモリーB細胞の膜型IgGタンパクを膜タンパク分離キット(Thermo社)を用いて分離し、BCRが抗原と反応する機能を保ったまま、分離出来る事を確認した。 2.サブクラススイッチ:抗A IgM抗体産生細胞株(ATCC:HB8534)より重鎖および軽鎖の超可変領域を得て、IgG1,2,3,4 expression vector(Invivogen社)に遺伝子組換えを行った。抗A IgG4をFreeStyle MAX 293 Expression System(Invitrogen社)を用いてタンパク発現を行った。精製した抗A IgG4を用いてA型赤血球に対する抗A抗体(血清)の結合抑制効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DSA陽性患者末梢血中に存在するDSA陽性メモリーB細胞の存在比が極めて低いため、形質細胞まで分化誘導することでDSAを培養上清に産生させる事が、難しい事が明らかとなった。そのためメモリーB細胞を一旦増殖させる事とした。mouse CD40 ligandおよびmouse BAFFを発現するBalb3T3細胞と共培養を行うことで、メモリーB細胞の増殖を試みたが、IgG陽性細胞は培養初期に消失している事が明らかとなり、BAFFの発現していないhuman CD40 ligandを安定発現する細胞株の樹立を行った。この細胞株を用いる事でメモリーB細胞を増殖させる事に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.DSA陽性患者検体よりメモリーB細胞をCD40 ligand発現細胞株上で培養し、増殖させ膜タンパク分離キットを用いてDSAを検出する。陽性である事が確認できた場合、増殖させたIgGメモリーB細胞をフローサイトメータを用いて分離し、DSA陽性IgGメモリーB細胞を純化する。この細胞より重鎖および軽鎖の超可変領域の遺伝子情報を得る。 2.DSAの重鎖および軽鎖の遺伝子情報を利用してIgG4にサブクラススイッチし、DSA陽性患者血清を用いた補体依存性傷害(CDC)アッセイに対するIgG4 DSAの細胞傷害抑制効果を確認する。 3.抗A IgG4抗体を用いて補体結合に対する抑制効果および細胞傷害抑制効果をA型糖鎖を発現した血管内皮細胞株EAhy926を用いて行う。 4.DSA陽性患者において末梢血中にDSA陽性メモリーB細胞が存在する場合とそうでない場合の臨床経過の違いを病理学的所見と併せて解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に利用する培養関連の消耗品(プラスチック、ガラス器具)に予備があったため、年度内に購入する必要がなくなったため、繰り越すこととなった。 繰り越し分は、培養関連の消耗品(プラスチック、ガラス器具)を購入する予定である。
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Research Products
(6 results)