2012 Fiscal Year Research-status Report
肝移植における肝炎ウィルス再発に対するテーラーメード治療
Project/Area Number |
24591876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
臼井 正信 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10378341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 和史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60378370)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝移植 / C型肝炎 / テーラーメード治療 |
Research Abstract |
C型慢性肝疾患の治療はPEG-IFN/RBV併用療法の登場で飛躍的に進歩したが、 I型、高ウィルス量の症例では難治例が多く、移植患者におけるgenotype, ウィルス量、コア領域やNS5A領域のアミノ酸変異などのウイルス側要因に加えて宿主側要因の双方が重要である。そこで、移植後C型肝炎に対するIFN治療の有効性について、HVC遺伝子変異、ドナー・レシピエント双方のIL28B(インターフェロンλ)領域の遺伝子多型(SNP)に注目し検討し、24年の日本肝移植研究会で報告した。内容は、生体肝移植を施行されたC型肝炎症例37例を対象とし、術後の肝炎再発を血清学的、組織学的に検討した。HCVコア、IL28B上流のSNP(rs8099917)を解析した。【成績】HCV genotypeは全例が1bであった。耐術症例29例で24例においてIFN治療が開始され9例が中止した。経過中に10例でEVRが得られ、最終的に9例でSVRが得られた。男性ではコア70の変異(-)症例は5/8でEVRが得られ、91変異(-)では6/7にEVRが得られたが、女性では70変異(-)でのEVR率は2/6、91変異(-)では1/4であった。IL28B SNP解析結果はレシピエントがmajorアレル(T/T)の場合、男性では7/11にEVRが得られ、女性でも3/5にEVRが得られた。男女いずれにおいてもminorアレル(T/G,GG)のレシピエントではEVRは得られなかった(0/6)。またレシピエントがmajorでドナーがminorであった2例はEVRであったのに対し、レシピエントがminor、ドナーがmajorの2例はいずれもNRであり、ドナーのSNPの予後に対する影響は少ないと考えられた。【結語】HCV遺伝子変異、レシピエントのSNP解析は移植後IFN治療の効果予測に有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会発表までは、できているが、論文作成まで行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでに、レトロスペクティブな研究については、成績を出すことができたので、今後、プロスペクティブな研究を始める。具体的には、 【対象】今後当科で行うC型肝硬変および肝癌患者にたいする生体肝移植患者 【検討項目】術前,同様にgenotype, ウィルス量、コア領域やNS5A領域のアミノ酸変異について測定。また、リンパ球よりIL28遺伝子多型を解析。レトロスペクテブな検討によって明らかとなった結果から、術前PEG-IFN/RBV療法開始群、術直後よりPEG-IFN/RBV療法を始めるPreemptive群、通常の組織学的確認後にPEG-IFN/RBV療法を行う群、SVRが望めない群で高齢者に対しては、少量長期にPEG-IFN/RBV療法を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に関する機器、設備は現有している。 前年度に引き続き、リンパ球の分離培養、ELISPOTアッセイのための試薬、ラット肝移植のための検査試薬・消耗品の購入のため80万円の計上を申請させていただきたい。 成果の発表のための予算として10万円計上を申請させていただきたい。
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Research Products
(3 results)